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エムマートでから見る「ランイチ」部位の特徴と整形・筋引きと商品化まとめ

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準高級部位の「ランイチ」には、深い味わいが堪能できる

サーロインに接続する部位「らんいち」は、もも系の部位の中では背側に位置し、「らんぷ」と「いちぼ」と呼ばれる大きな筋肉の塊から構成されています。また、らんいちは、ロイン3点の高級部位に次ぐ準高級な部位として評価の高いところです。

背脂肪を除去すれば、ほとんど筋間脂肪もないやわらかい赤身肉です。ステーキメニューのうち、サーロインと同様に「ランプステーキ」はよく知られています。ほとんどの牛肉料理に最適な部位です。

名称は「ランプ」とも呼ばれ、関西において「ラム」とも呼ばれています。

今回は、整形・筋引き、小割から商品化までと海外でのステーキカットの一例を紹介していきます。

整形・筋引き・小割方法

らん表面の背側、すじ、脂肪を除去します。

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仙尾椎(シッポの部分)のすじを除去します。

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「らんかぶり」を除去します。

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らんから「ネクタイ」を分割します。

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そとももの切断面から、「らん」と「いちぼ」に分割します。

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左側から「かぶり(A)」、「ネクタイ(B)」、「らん(C)」、「いちぼ(D)」

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らんの脂肪は5ミリ程度の厚さに整形する。ただし、脂肪の質や商品づくりの違いによりすべて除去する場合があります。脂肪の質のよいものは、脂肪を付けて「すき焼き用」にスライス、脂肪を3ミリ程度付けて「ステーキ用」や「しゃぶしゃぶ用」に商品にできます。

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そともも切断面からの太すじに沿って、「らん」と「らんぼそ」に分割します。

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分割線がわからない場合は、部位を裏返して、すじの位置や筋繊維の流れの違いをよく見て切断するとよいです。

左側が「らん(A)」、右側が「らんぼそ(B)」。

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「らん」の「そともも」よりの太すじを5センチ程度除去します。

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「いちぼ」のすじひき・整形・分割

いちぼの脂肪を3ミリ程度に整形します。

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そともも側から15センチ程度の脂肪は除去します(ここのすじが硬いので、脂肪を除去後すじをひく)。

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表面のすじを除去する。はじめに仙・尾椎側のすじ、次に「いちぼ」表面のすじを除去します。この場合(A)の部分にすじが入り込んでいるので、すじの上の肉をめくり1,5センチ程度中すじを除去します。

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「らん」の商品化

一般的に「らん」はその付着している脂肪の質により商品化が違います。脂肪の質のよいものは、5ミリ程度脂肪をつけ、スライスし「すき焼き用」、脂肪を3みりにして「しゃぶしゃぶ用」に商品化します。

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「らん」をサーロイン切断面から厚さ2センチ程度にカッティングし、「ランプステーキ」ができます。また、「らん」を中央から1/2に柵どりをし、「ミニステーキ」もできます。最後の部分に近づくにつれて、肉質が硬くなるので、最後の部分から7センチ(肉質にもよります)程度になったら「焼肉用」、最後の部分から3センチ程度は「カレー用」にカッティングするなど肉質によってカッティングの厚さを変えて商品化となります。

「らんぼそ」の商品化

サーロイン切断面側から厚さ2センチ程度の厚さで「ステーキ用」をカッティングします。

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最後の部分に近づくにつれて、肉質がかたくなるので、最後の部分から7センチ程度になったら「焼肉用」、最後の部分から3センチ程度は「カレー用」にカッティングするとよいです。

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「いちぼ」からの商品化

いちぼは、そともも側の肉厚の部分(A)とサーロイン側の肉厚の薄い部分「クレート(B)」に分割して商品化ができます。

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そともも側の肉厚の部分は、肉質が硬いので薄くスライスして「切り落とし」、ダイス状にカッティングして「シチュー用」にもできます。なお、品質のよいものは「たたき用、焼肉用、しゃぶしゃぶ用」等でもできます。

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サーロイン側の肉厚の薄い部分「クーレット」は、筋繊維の流れに注意して焼肉用の柵どりにして、厚さ5ミリ程度の「焼肉用」でも商品化できます。また、ひとくち状のダイスにカッティングし「サイコロ」ステーキとして、またスライスして「しゃぶしゃぶ用」に商品化ができます。なお、品質のよいものは、「ステーキ用」としても利用できます。

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ランプからつくるステーキ(海外編)

表面のすじ、脂肪をトリミング。

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メガネを取り外します。

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ランジリをカットして、形を整えます。

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余分な脂肪を除去します。

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脂肪面の汚れを除去し、8ミリアンダーに整形します。

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ファミリーステーキ

整形後のランプ。

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ランジリと平行に厚さ3センチでフルカットすると、2~3人分のステーキになります。

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ファミリーステーキ。

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ミニステーキ

ファミリーステーキをとった後、ランプとイチボの境目にナイフを入れます。

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すじに沿って分割します。

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1=ランプ、2=イチボ。

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ランプは繊維と平行に3分割します。

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それぞれを厚さ2cmでカッティングするとミニステーキができます。

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ミニステーキ。

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まとめ

ランプはサーロインから続くおしりのあたりの部位です。脂肪が少なく、風味、やわらかさでは、ヒレ、サーロインに次ぐ上質な部位です。もも系のなかでも一番おいしく食べられる肉質をもっているので、歩留まり重視のスライスではなく、肉本来の味を楽しめるステーキが非常によいです。

また、希少価値の高い部位であるネクタイも淡白な味わいながらもお店によっては、焼肉用としてだされています。是非参考にしたいものです。


エムマートでみる アウトサイドフラットとは?

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アウトサイドフラットとはそともものなかにくのことです。

そとももとは、モモ系の部位では最も運動量の多い部位です。したがって全体的に肉のきめは粗く、肉質はやや硬い部位となりますが、薄切りや煮込みに用いれば問題ありません。

そとももは、「はばき」「しきんぼう」「なかにく」の3つにわけられます。「はばき」は、すねに近い特質をもっていますが、中の「せんぼんすじ」には、ホルモンのように食感が良く、肉の味が濃いものがあり、焼肉用に使われている場合があります。「しきんぼう」は、最もきめの粗い部位ですが形状が整っていますので、使用の目的によっては利用範囲が広がります。

「なかにく」は、きめはそれほど粗くありませんので、一般的な牛肉料理に利用できます。欧米では、この部位を生コンビーフ(チルド状態で一週間位塩漬けにしたもの)に加工して市販しています。また、肉質が硬いにもかかわらず好んでこの部位を調理の素材として利用しています。

今回は、そのようなそとももにおいて、分割から整形・すじ引きや商品化においてのポイントについて記載していきます。

そともも部位のすじ引きと整形のポイント

1・そともも部位は、赤身の肉の厚い部位で、皮下脂肪がついているとはいえ、ごくわずかしか付いていません。ですから、できるだけ残して赤身の美味しさに、脂肪の美味しさを加えていきたい。

2・そともも部位とはばき部位の境に厚い脂肪の中にリンパ線がある。これは必ず取り除くことです。この部分は、かなり肉付きが薄くなっているから、3ミリ位残して余分な脂肪は、取り除きます。

3・そともも部位のなかすじ、また、はばき部位の内側すじなどは肉の中にまで食い込んでいますが、これは、肉の中まで引かずに表面の見えるすじだけを引きます。
※肉の中まで引くと、肉がバラバラになり商品化が難しくなります。(小割は別です。)

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そともも部位のすじ引き

脂肪の表面汚れや印を取り除きます。

この部分の脂肪はほんの少ししか付いていないので、脂肪表面の汚れは注意して丁寧に、ごく薄く取り除きます。
※ここの脂肪を削り取るということは、上質の赤身肉を削りとるようなもので、味も歩留まりも悪くなります。

1

 

そともも部位の外側のすじを引きます。
  • はばきの先端よりそとももに向かって大きくすじを引きます。

※脂肪のついていないすじの見えるところはすじを引きます。

  • 脂肪の汚れや印をきれいに取り除きます。

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内側の脂肪を取り除きます。
  • まず図の✖印の食い込んでいる脂肪を3ミリ残して取り除きます。
  • すじの上の脂肪を取り除き、その順序は、まくら、そとももの順に。

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まくら部位(しきんぼう)のすじを引きます

まくら部位上面のような薄いすじは、ナイフを少し上向きにスーッと引きます。その引き方は、反動をつけないですじの下をナイフがくぐるように、こきざみに動かします。
※上達すると、しきんぼう部位上面のすじは、2回で引けます。

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そともも部位の太いすじを引きます
  • まず、薄いそとももの上すじを引き、広くて太いすじを手前に引きます。
  • それから、ナイフを逆にもち上側のすじを引きます。
  • 上方の厚いすじを、ナイフを逆に持ちすじを引きます。この場合見えているすじだけ引きます。

※小割するときは手をつけない。

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はばき上面のすじを引きます。

ナイフを逆にもって、はばき上面のすじを引きます。すじは、しきんぼうのところまで引き、それ以上にはナイフを入れない(まくらの下まで引くと、肉がバラバラになってしまいます)

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はばき部位の内側のすじを引きます
  • すじを引きやすいように、はばき部位の内側を平らになるようになで、上の方からすじを引きます。
  • せんぼんすじの付け根(3)は太い厚みのあるすじで、これはすべて取り除きます。

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そともも部位の商品づくり

小割しない場合

  • 全体的に肉質が硬く、肉の目も変化しているからなるべく肉の目の流れに直角に切るか、薄目に切って商品づくりをします。
  • 冬季は、このまま丸ごとスライスにするのもよいが、はばき部位は分割してこま切れとして使用するのよいです。
  • すきやき用、切り落とし用には、ばら部位と合わせて商品づくりをします。見た目がきれいになります。

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そともも部位の分割とすじ引き(右側)

そともも部位を小割するときは、丸引きと同じ手順(小割しないすじ引きと同じに、内側はばき部位とそともも部位のなかすじは残します)で整形した方が早く上手に作業ができます。

  • はばき部位を分割する。
  • 境目に沿って、そともも部位よりはばき部位を取り除きます。

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しきんぼうを分割します

  • すじに沿ってしきんぼうとそともも部位の境に沿ってナイフを入れ、しきんぼうを切り離します。

※しきんぼうは丸みがあるので注意です。

  • しきんぼうのすじを引きます。皮下脂肪を薄く残して、まわりのすじを引きます。

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そともも部位となかにく部位の分割と、そともも部位のすじを引きます

  • そともも部位上面、はばき部位を分割した後の脂肪とその下のすじを引きます。
  • そともも部位、なかにく部位間の太いすじに沿って、ナイフを逆手に持って分割します。
  • そともものすじを引き上げます。

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はばき部位のすじ引きと小割

  • はばき部位外側、内側両面のすじを引きます。先に、内側の幅広い方のすじを引き、図のように、部位を裏返しにして外側のすじを引きます。
  • 内側のせんぼんすじの上方に向け、全体のすじを引きやすいように手でなで平らにして表面の見えるすじを引きます。

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外側(の下側)の食い込んでいるすじを出し、すじを引きます

このすじは、せんぼんすじ部位を先に取り除いてからでは、とても引きずらいので、まずこのすじから引きます。

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せんぼんすじ部位を分割します

せんぼんすじ部位に沿って両側にナイフを入れ、アキレス腱の方よりめくり上げ、せんぼんすじ部位を取り除きます。

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はばきを2等分します

すじに沿ってナイフをすべらせるように2等分にします。
※このすじは、中ほどで少し段差があります。

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B部位の内側のすじを引きます

外側のすじは先に引いているから、内側のすじを引くだけでよいです。

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A部位内側のすじを引きます

内側のすじを引き、中に食い込んでいるすじも取り除きます。
※せんぼんすじまわりのすじを取り除きます。

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まとめ

今回は、そとももの小割・整形のポイントと商品化の一例を記載をしていきましたが、機会があれば小割後の商品化についても触れていきたいと思います。是非とも参考にしていただければと思います。

エムマートにあるサーロインのすじ引きのポイントとは?

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サーロインの除去すべきポイントがあります

サーロインとは、「リブロース」と「らんいち」に挟まれた部位で、肩ロースにから始まる胸最長筋の末端部分です。ロイン3点(リブロイン、サーロイン、テンダーロイン)のうち、サーの称号を冠する最高の肉質を持つ部位です。

代表的なステーキ部位で、通常、サーロインステーキ名です。レストンなどでこのステーキを注文しますと、ウエイターに「焼き加減は?」を尋ねられます。焼き加減を注文できるステーキは、どんな焼き加減にも対応できる優れた肉質の部位である証拠でしょう。

焼き方は、おおよそ次のような呼び方でその程度を表します。
ベリーレア(ほとんど生焼け)

  • レア(生焼け)
  • ミディアムレア(中位よりやや生焼け)
  • ミディアム(中位の焼き加減)
  • ウェルダン(よく焼けたもの)

さて、今回は、このサーロインの整形とすじ引きの抑えておくべきポイントと方法について記載していきますが、本当に注意すべき点は、肉質を見極めることにあります。何故かというと、肉質によってはステーキにはできないもの(サーロインでも)があります。例えば肉が締まっていないもの、品種によってもです。価格が安いからといって安易を手をださず、販売店とその肉質について相談することが大切です。

品種や肉質によっては、用途が変わる事がありますので注意が必要です。

サーロインのすじ引きとポイント

サーロイン部位は、ほとんどステーキとして用いるから、骨肌と小骨は完全に取り除く必要があります。また、サーロインのバラ足は、長すぎず、ロースの肉までばら足に切ることのないように注意が必要です。

サーロインは、肉質や味、形、大きさ、脂肪の付き方などからみてステーキが最適です。

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この部位は、一頭からわずかに11㌔ほどしか得られないから価値ある部位になります。しかし、そのうちのらんじり側は、価値が劣ります。ただし、前述にあった品種、肉質によってはステーキに難しいものがありますので、ミニステーキやサイコロステーキ、ロールステーキなどに変化をつけた方がよいです。

ばら足を切り離す

ばら足の長いものは、ロース芯より2センチのところでばら足を切り離します。(図参照)
※ばら足とは、ロース部位についてるバラの部分のことです。

1

ロースのみみ部分の骨肌、汚れ、変色を取り除きます

  • 最初、みみ部分のロース骨を抜いたあとのくぼみの周りを、右方より左へナイフを入れ骨肌と薄い膜を取り除きます。
  • 次に、みみ部分の手前側面の骨肌と乾燥して変色した肉を削り取ります。(図参照)

2

サーロイン上面のすじと骨肌を取り除きます

脱骨あとの骨と骨肌も一緒に引けるだけ引きます。

3

サーロイン上面の骨肌と小骨を取り除きます

ロース上面に残っている骨肌と小骨を丁寧に取り除きます。
※この動作では、くぼんだ所は引きづらい。この動作だと、くぼんだ所も引きやすいです。

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脱骨あとのくぼみの骨肌と小骨を取り除きます

脱骨あとのくぼみの骨肌と小骨は特に丁寧に取り除きます(図参照)
※この部分の取り残しが特に多くみられますが、必ず完全に取り除きます。

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外側脂肪、背筋上面脂肪を取り除きます

  • 脂肪を平均5ミリ位残して、余分な脂肪は削り取ります。(このときナイフを大きく使うと綺麗に仕上がります)
  • 背筋上面脂肪にキズを入れ(図のようにすじまで入れます)手前の背筋上面の脂肪を取り除きます。

※背筋へのキズの入れ込みには肉を切らないよう注意が必要です。

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背筋を引きます

  • 最初に背筋、みみ側面のすじを引きます。
  • 次に、上面のすじを引きます。このとき、すじはだがつくように丁寧にひきます。

※すじを引くのは、脂肪をはがした幅だけとします。深く追って取り除くことはありません。

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らんじりとの切断面の骨肌と軟骨を取り除きます

  • 骨肌をていねいに取り除きます。
  • 軟骨が細長くついている。これは、えぐるように丁寧に取り除きます。

※脱骨作業の仕方により軟骨の残っていないものもあります。

サーロイン商品の見本

サーロイン、らんじり側のミニステーキ(2分割してあります)

ミニステーキ(らんじり2等分)
ミニステーキ(らんじり2等分)

※らんじり側は肉質が硬くなり、すじもあります。真ん中とらんじり側と同じ商品づくりは避けた方がよいです。分割してらんじり側は、このようにミニステーキや焼肉、しゃぶしゃぶ、すき焼きにするほうが良いです。

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背筋と脂肪を半分ほど多く残したステーキ(あまりよくない)
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一般的な整形の仕方にばら足を短くしたステーキ
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脂肪の下の厚いすじを取り除いたステーキ

サーロインステーキ

サシの入りもよく、肉に弾力性があり、水分も少なく肉質のよいロースです。理想的な整形品です。
※サーロインは薄いものより、肉の味が堪能できる肉厚がよいです。

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サーロインのしゃぶしゃぶ

切り方、並べ方ともふんわりと上手に切っています。盛り付けが良いと見栄えが良くなります。

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サーロインのばら足

骨肌を取り除き、周りの脂肪を適度に整形して、赤身肉とあわせてこま切れ用にします。ばら足は、脂肪に味があるのでグリムキ(脂肪を全て取り除くことはしないほうがよいです。)

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まとめ

サーロインといえど肉質や品種によってステーキにはできないものがありますが、これは生産した方や提供している会社が悪いのではなく、本来の肉の取り扱いとは、生かす事にあります。

牛といえど生き物ですから、必ずしも品質が安定するとは限りませんし、個体差もあります。それを品質が悪いから使えないなどの放棄することはあまり望ましいとは言えないと言えます。私に指導してくれた方は、非常に知識や技術が優れている方ばかりでしたが、皆一同にこのように生かす事をどのようにすればよいのか常に考えられておられました。

「その肉を使ってどのようにしたら人に喜んでもらえるのか」大切な事なんだと思います。

エムマートにある牛肉のうで(かた)部位の整形・すじ引き方法とは?

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牛肉料理の用途幅が広いうで(かた)部位は非常に活用しやすい

うでの部分を総称して牛かたと呼んでいますが、みすじ、さんかく、とうがらしなどの数多くの筋肉の集合体です。総じてよく運動する部位ですから、筋膜や腱などが多く、肉色はやや濃いめです。したがって、きめが粗く肉質も硬い部位に属します。

エキス分やゼラチン質は豊富ですがら、煮込み料理やスープの材料として最適です。また、筋膜や腱を取り除いて薄切りにしますと、硬さに難がなく、相当広い範囲の牛肉料理に利用できます。

今回は、そのうで(かた)部位を使った整形・すじ引きや分割方法などの代表的な例を通して商品化までの方法を紹介していきます。

うで(かた)部位のすじ引きと整形のポイント

うで(かた)部位は、外側から内側にすじが多く入り込んでいます。このすじを内側深く取り過ぎると本体自体がバラバラになり、商品化づくりができにくくなります。必要以上には、内側のすじを取らないよう注意する必要があります。

また、ほんみすじ部位とくり部位の境は、身割れしやすいです。すじを引くとき、うわみすじを必要以上にめくり上げると身割れします。ここが身割れすると、変色したり、またスライスにするときバラバラに割れて商品づくりがしにくくなります。

うで1

うで(かた)の整形・すじ引き

かっぱを取り除き、脂肪を取り除きます

  • 薄いかっぱ肉を取り除きます。
  • 先に、印、汚れを取り除き、脂肪の厚い部分は5ミリ程度残して取り除きます。
  • くり部位、すじ上面、にのうで部位の脂肪を取り除きます。

うで2

にのうで、ほんみすじ、くりのすじを取り除きます

  • にのうで部位上面のすじを引き、続いてほんみすじ、横のすじと骨肌を引き上げます。
  • くり部位上面のすじを引きます。くり部位上面の中に食い込んでいる太いすじを中まで(約5センチ程)取り除きます。また、小割しないで商品づくりするときは、ほんみすじ上面のすじと脂肪を取り除き、ほんみすじのすじを引きます。(みすじ側を残して分割するときは手をつけないほうがいいです)

※小割するときは手をつけなずにそのまま残します。
うで3

にのうで部位の脂肪、血管を取り除き、すじを引きます

にのうで部位上面の脂肪と血管を一緒に取り除き、にのうで部位上面のすじを引きます。

うで4

にのうで部位、骨肌のすじを取り除きます

※このとき、うわみすじ部位左側を引いておきます。

  • にうで部位上方の肉を上にはねて、手でなでて平らにし、骨肌やすじを引きやすいようにします。
  • 脱骨のあとの骨肌やすじを引きます。
  • うわみすじ部位左側のすじを引きます。

うで5

うわみすじ部位の裏側の骨肌を引きやすいに横になでてから骨肌を引きます

※右端に軟骨が残っている場合が多く、注意が必要です。

ほんみすじ部位のあたま部分のすじを取り除きます

  • 先に、ほんみすじ部位のあたま部分のすじと膜を一緒に取り除きます。(そのときは図のようにうわみすじ部位まで)
  • 細長いすじを途中まで(約3センチ)取り除きます。
  • ほんみすじの太いすじを15センチ位までナイフを入れて取り除きます。(小割りするときはそのまま残します)

うで7

ほんみすじ部位の骨肌を取り除きます

  • ナイフを逆手に持ち、骨肌を引き上げます。最後の角部までに完全に引きます。
  • 硬い部分は、残さず完全に取り除きます。

うで8

うわみすじ部位のすじを引きます

  • うわみすじ部位の太いすじを引きます。

※すじ引きの一番しやすい部分

  • 上方薄いすじを引きます。

うで9

くり部位の上面のすじを引きます

  • 右端先端よりうわみすじ部位のところまですじを引きます。
  • 以上終了です。

うで10

うで(かた)部位の小割とすじ引き(右側部位)

うで(かた)部位の小割り

  • まず先に、周りのすじを全部引いてから作業を始めることです。こうすると、作業がしやすく早く仕上がります。
  • 周りのすじを全部引いてからといっても、次のイ、ロのすじに手を付けないで、そのまま残します。

イ:くり部位の全部
ロ:ほんみすじ部位の太いすじ
うで11

うで(かた)部位より、にのうで部位を取り除きます

かた部位と、にのうで部位の境に沿って分割します。ほんみすじ部位の肉が、にのうで部位下側まであるので注意します。
うで12

うわみすじ部位を取り除きます

  • うわみすじ部位を、くり上面のすじに沿って離します。
  • 次に、かわら部位との境を離し、うわみすじ部位を取り外します。

うで13

かわら部位を取り除きます

  • くり部位より、かわら部位を切り離します。
  • 次に、みすじ部位の裏側の点線より、かわら部位を分離します。
  • かわら部位に脂肪を付けます。

うで14

ほんみすじ部位のすじに沿って、くりとみすじに分割します。

ほんみすじ部位の横のすじに沿って分割します。

ほんみすじ部位とこさんかく部位を分割します

本みすじ部位あたま部位(太いすじのところ)下側のこさんかくをすじに沿って分離します。

うで15

うわみすじ部位の分割(左部位)

中に食い込んでいるすじに沿ってうわみすじを分割します。
※ナイフを逆手に持つ必要があります。

うで16

ほんみすじ部位の分割

ナイフを逆手に持ち、太いなかすじに沿ってナイフを入れ分割します。
※このすじは、中ほどが平らでなくデコボコしていて作業がやりずらいので注意が必要です。

うで17

うで(かた)部位の商品づくり

商品づくりのポイント

うで(かた)部位は皮下脂肪が付いているが、赤身の多い肉の厚い大きな部位で、サシもよく入って見栄えは良いです。ただ、肉質にムラがあって、図のようにA,B,C,Dではやわらかさや肉質も異なるので商品化には注意したい。

うで18

A部分

切り口が整うまでコマ材用に切り落とします。(下側にばら肉・そとばらやなかばらを敷き、一緒に切ります)
※ばら部位は、隠さないで見せた方が良いです。

うで19

B部分

切り口が整ったらすきやき用に切ります。(赤身肉で最も断面の大きい部分)
※コマ材不足の時は、にのうで部位側を1/3切り離し、2等分にしてばら肉と合わせてコマ材用にするとよいです)

うで20

C部分

すき焼き用として切ります。また、赤身肉で柔らかいのでしゃぶしゃぶでもよいです。

D部分

肉質、味ともによく、また柔らかいのですき焼き用かしゃぶしゃぶ用切ります。
※ここまで切ったら小分割し、ほんみすじ部位を綺麗にすじを引いて、焼肉、たたきにすると付加価値が付きます。

E部分

分割して切り落としようにします。
※細かいみすじより商品づくりところがありますが、にのうで部位より始めてよいと思います。

うで21

まとめ

今回は、うで(かた)部位について記載していきましたが、小割後の商品化については別記事にて記載していきます。また、この部位においては、作業工程が多く複雑なものを表していますが、幾度となく繰り返していけば早くになります。

商品例では、肉質と価値で用途(売価)を選定していますが、お店によっては違いがありますが、肉質を見極める事が重要になってきます。この肉質を選定するうえで、食べるみることも大切なことではないでしょうか。

エムマートにある牛肉のすね部位のすじ引きの方法と使い道とは?

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煮込み用として使われるすねに一部だけ希少部位の焼肉用があります

前肢のものを「まえすね」、後肢のものを「ともずね」と言います。特質は、両者共にほぼ同一ですが、スープストックを取るには「ともずね」の方が良いとされています。

運動量の多い部位ですから肉のきめは粗く、肉質は硬いところです。また、筋膜、腱なども多く介在していますが、エキス分やゼラチン質に富んでいます。そのため、レストンなどでは、骨付きの状態のまま煮込みます。肉はほとんど赤身ですから、ひき肉や煮込み用にむしろ貴重な部位として高く評価されています。

「まえすね」にある「たわら」部位(まくらともよばれています)は、品質によっては焼肉用として使われる事があり、大変希少な部位として食感と濃いめの味わいのある味が楽しめます。

今回は、その「すね(まえすね・ともずね)」の整形・すじ引きや小割から商品化の一例について記載していきます。

ともずね部位のすじ引き

ともずねのすじ引きのポイントとしては、細長く肉に食い込んでいるすじは、すじに沿ってめくり、すじを取り除きます。細長い小さな骨化したものもありますので特に見逃さないように取り除かなければなりません。

すね1

すねを2分割します

  • Aの真ん中のすじに沿って分割します。
  • ともずね(Aの部分)の内側のすじ引きと内側の骨肌、すじ、血管を除きます。

すね2

ともずね外側のすじを引きます。

すじの上に脂肪がついているときは、まず脂肪を取り除き、すじを引きます。
すね3

なかのすじを取り除きます。

太いすじに沿ってめくりすじを出して取り除きます。
※この部位を肉じゃがなどの切り落とし材として使用するときは、なかのすじまで取り除く必要があります。スープやシチューでは必要ではありません。
ともずね4

ともずね内側のすじを引きます。(Bの部分)

  • 内側の薄いすじ、脂肪を取り除きます。
  • なかすじを引きます。太いすじに沿ってめくり(肉はすじに付いていないのでめくりやすいです)、太いすじを取り除きます。

ともずね5

すね側のすじを引きます

  • すじの上の脂肪を取り除きます。左右にナイフを入れ先端をめくり、膜を脂肪と一緒に手ではがします。脂肪ののりがなく膜だけが薄いときは、すじと一緒に引きます。
  • 外側のすじを引きます。

ともずね6

ともずね部位の商品づくり

  • ポイントとしては、すね肉は、硬いからひき肉やシチュー、スープ用にしか商品づくりできないものと思っている人は多いのではないかと思いますが、品種や肉質によっては、Aの部分を丁寧にすじを取り除いて、ばら肉と合わせて切り落とし用にも可能です。
  • このAの部分だと、たたきにもできる場合があり、手切りや厚切りでは硬いので、スライサーで薄く切り他の部位と合わせると良いです。

ともずね7
ともずね8

まえずね部位の分割とすじ引き

ポイントとしては、まえずね部位のすじだけは、外側より見えるところのすじだけ引きます。

まえずねを4つに分割します

まずたわら側のすじに沿って分割します。すじ間に沿ってそれぞれ分割します。
まえすね1

外側のすじを引きます

外側に脂肪がついていたら先に取り除きます。
※すね肉は、まわりのすじを引くだけでよいです。
まえすね2

内側のすじを引きます

両側の太いすじは、特に、えぐるようにきれいに取り除きます。
まえすね3
まえすね4

まえずね部位の商品づくり

  • まえずね部位は、ともずねに比べ硬めなので商品化がしにくい。ほとんどがひき肉用に用いります。
  • スープにもよいので、濁りのない澄んだきれいなスープができます。すね肉のシチューだと肉の中にスープがしみない(肉とソースが馴染まない)ため、シチュー用にはおすすめできない。

まえすね6

ひき肉用の商品づくり

ひき肉を見栄えよく商品づくりするには、よく冷やしてからにします。赤身色がよくでるからです。冷やし方が足らないと、白っぽい色になって色あいが悪くなります。

ひき肉
ひき肉

たわら部位の小割と整形

切り口一か所だけで、他は決してキズをつけないですじをすべて取り除きます。

たわら部位裏側からすじに沿ってめくり、すじを引くと三層のすじがあります。切り口裏側一か所からだけできれいにたわら部位のすじを取り除くことができます。

たわら部位を取り除きます

  • 点線に沿ってすね部位と、たわら側部位を分割します。
  • 境目に沿って、かぶりとたわら部位を分割します。

まえすね8

裏側表面のすじを引きます

中に食い込んでいるすじには手をつけない。表面のすじだけを引きます。
まえすね9
まえすね10

横に食い込んでいるすじに沿ってすじを引きます

  • 横のすじを開き、すじを出し、上方からすじを引くと、断面図のように、真ん中のくぼみのところより、さらに奥に1本のすじが食い込んでいます。
  • 奥に食い込んでいるすじを出します。
  • ナイフを逆手に持ち、下方手前よりすじを引き、横のすじを取り除きます。

まえすね11

すじに沿ってめくり、すじを出し、一枚目のすじを引きます

  • すじに沿ってめくり、すじが大きく出たら一枚目のすじを引きます。
  • 一枚目のすじに沿ってめくりすじをだし、二枚目のすじを引きます。

まえすね12

二枚目のすじを取り除きます

二枚目のすじを取り除くと、その下にさらに下方に小さいすじがあります。それに向かって同じ要領ですじをめくり三枚目のすじを取り除きます。以上終了です。
まえすね13

たわら部位の整形後
まえすね14

たわら部位の焼肉用
たわら部位の焼肉用

たわら部位の厚切り焼材
たわら部位の厚切り焼材

まとめ

今回は、「すね」部位の小割とすじ引きや商品化について記載していきましたが、非常に細かい作業となります。現在ではここまでの作業をするところは少ないのではないかと思いますが、牛を知れば知るほど多くの商品につながります。また、基本的な部分ではありますが、まだまだ多くの商品化がありますので、一つ探求してみてはいかがでしょうか。

エムマートにある牛肉の「マエバラ」部位の整形・筋引きまとめ

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韓国料理の高級部位として扱われた「マエバラ」はカルビ焼きの代表格です

「マエバラ」の正式な名称は、「かたばら」であり、英名においては「ブリスケット」と呼ばれています。今回は、この部位の特徴を抑えながら整形・すじ引きについて、日本においてどのように商品化していくのか触れていきたいと思います。

「マエバラ」は、かたの部分にあるばら肉で、厚みのあるのが特徴です。胸骨の部分にある「むねこぶ」と呼ばれるばらの先端部分は、肥厚して硬い部分となります。かたロースに接する一部は、脂肪交雑がよく入り、濃厚な風味のある部分で、英名で「ショートリブ」と呼ばれる部分は、ほぼリブロースと同等の高い価値で評価されています。

韓国料理の焼肉でカルビ焼き(ばらの焼肉)のうち、高級なものはこの部位を使用します。薄切りにしたものは、もちろん厚さに難はありません。また、筋膜などはトリミングせずに、また骨付き状態のまま煮込めば最高のスープがとれます。牛肉好きの通は、この部位を高く評価して賞味しています。

マエバラ部位のすじ引きと整形

「マエバラ」部位の整形・すじ引きのポイントとしては、マエバラ部位をさんかくばらと切り離します。
※切り離す目安は、マエバラの赤身肉に沿って切る。(外側よりみます)
また、マエバラ部位は軟骨が多く残っている部位ですので、この軟骨や骨肌は残さずに丁寧に取り除く必要があります。次に脂肪の厚い部分があるから、付けすぎないように注意が必要です。

さんかく1

マエバラとさんかくばらを切り離します

点線より、まえばらとさんかくばらに分割します。切り離しの基本的な目安は、マエバラの赤身肉に沿って切ります。(外側よりみる、切るのは内側から)

マエバラとかたさんかくを切り離すとき、マエバラの内側かぶりを、かたさんかくといっしょに分割する方法もあります。(この場合は、マエバラを内側かぶりと分割するとき)

さんかく

ばら骨の山部(盛り上がった部分)のすじを引き、脱骨のあとの骨肌と軟骨を取り除きます

  • ばら骨の間のすじを引きます。脂肪の多いときは先に脂肪を取り除きます。
  • ばら骨の脱骨あとの、横、左右の骨肌や軟骨の残りは丁寧にすべて取り除きます。

さんかく2

胸骨(細長いマエバラで一番大きい骨)を脱骨したあとの、軟骨、骨肌を取り除きます

  • 左手で取り除く部分を、ナイフが入りやすいように持ち上げます。
  • ナイフを横に大きく入れ、円を描くようにえぐり、軟骨、骨肌を取り除きます。このとき、脂肪もいっしょに少し取り除くことによって、作業の効率がよくなります。

※印や軟骨、小骨の取り残しのとくに多いものがあると、食べたときに残るので注意します。
さんかく3

脂肪を取り除き、変色や汚れ、乾燥した表面の肉を取り除きます

  • 外側の脂肪を1,5センチほど残し、余分な脂肪は取り除きます。
  • マエバラのあたま部分、横の部分、変色や乾燥した肉は、表面だけ薄く削り取ります。

さんかく4

脂肪を取り除きます

捌きナイフを使って(なくてもよい)、まず上方に、かぶりに沿って入れ、マエバラのあたま部分より脂肪を取り除きます。
※脂肪の薄いものは取り除かないこと。
さんかく13

外側の脂肪、汚れ、印などを取り除き、すじを引きます。

  • 脂肪を5ミリほど残し、余分な脂肪を取り除きます。汚れや印も取り除きます。
  • 外側かぶりのすじを引きます。赤身上面のすじを引き上げます。

さんかう

マエバラ部位の分割と整形

内側かぶりと赤身肉を分割します

内側かぶりに脂肪を付けてかぶり部位を切り離します。
※図では、かぶり部位を下側にして分割していますが、基本的にはこの逆で、赤身を下側にしてかぶりをめくり上げて取り除くとよいです。

さんかく5

赤身肉と外側かぶりを分割します

赤身肉に沿って、外側かぶりを切り離します。

※図では、かぶり部位を下側にして分割していますが、この逆、赤身肉を下側にして分割してもよい。
※分割した部位は、それぞれ脂肪を適度に取り除き、仕上げます。

さんかく6

マエバラの赤身肉の商品づくり

マエバラ赤身肉は、大きくて薄い部位。これは、いちぼ部位と同じようにやわらかさ、味が極端に異なっています。ともばら側は肉質が硬めで味も落ちます。あたま部分(細い方の約1/3くらい)は、やわらかくて風味もよいです。この美味しいあたま部分だと同じ枝肉のしんたま部位と比べて、このブリスケットの方が柔らかく味もよいです。それほど価値がある部分です。

さんかく7

マエバラのミニステーキ
マエバラのミニステーキ

かたさんかく部位の整形と筋引き

ポイントとしては、脱骨あとの骨肌、小骨は丁寧に取り除きます。

さんかく10

ばら骨間のすじを引きます

まず最初に、三角形のあたま部分のすじと脂肪を取り除き、ばら骨間のすじを一つずつ引き上げます。

さんかく11

骨肌を取り除きます

脱骨の後の骨肌を完全に取り除きます。

さんかく12

脂肪を取り除きます

右側より脂肪をめくり上げていき、取り除きます。そのとき、脂肪は全部取り除かないで薄く残しておきます。

さんかく13

すじを引きます

筋引きナイフを逆にもってすじを引き上げます。
※左部位は手前にすじを引きます。

さんかく15

さんかくばらの商品化一例(すじ引きとせいけい)
ばらあしの雑肉をすじと脂肪を一緒に取り除いて、残った脂肪も全部取り除き、さんかくばらを三等分に細長く柵どりします。

さんかく14

商品化のポイント

刺身用には薄め(2ミリ)に切ります。けっして厚く切らない方がよいです。
※現在では、刺身(生食)は、許可がないとできません。
※刺身用は脂肪を完全に取り除く必要があります。
※焼肉はBの部分をつかった方がよいです。

さんかく17

さんかくばら牛刺し
さんかくばら牛刺し

まとめ

今回は、マエバラ部位の整形と筋引きについて記載していきましたが、商品化においては、ほんの一部分を紹介しました。肉質の特徴を生かした用途(焼肉やスライスものなど)が分割や整形において重要な事になります。

例えば、硬いのに焼肉用にしたり、焼肉用として使えるものにスライスしたりと単価基準となりますが、価値の差異で大きな違いを生み出してしまいます。この肉質の見極めが商品化にとって重要なものになりますので、抑えておきたいところです。

エムマートである牛肉の「シンタマ」部位の活用方法とは?

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もも系の中でも使いづらい「シンタマ」を小割・整形や商品化を徹底解剖します

うちももとほぼ同様の肉質を持つ赤身中心の部位です。周辺の「かぶり」と呼ばれる部分は、やや肉のきめは粗いのですが、その内側はきめが細かく軟わらかい部分もあります。

別名を「しん芯」といい、ラウンドステーキ用、焼肉用としても使われています。特に分割すると、「まるしん」、「ともさんかく(ひうち)」などは希少部位として扱われ、お店によっては、量の少なさから限定品として販売されるところもあります。また、分割したものは、それぞれの肉質と特徴において違いがありますので、様々な用途にわかれます。

今回は、この「シンタマ」部位を使って基本的な小割とすじ引き方法に記載していきますが、商品化においてはあくまでも一例であり、シンタマ部位だけでも数多くの商品が存在しますので、基本的なものだけを紹介していきます。

「シンタマ」の小割とすじ引き(右部位)

「シンタマ」の特徴と抑えておくべきポイント

「シンタマ」の特徴は丸い形をした赤身肉で、全体的に肉質もよく味は、淡泊な味わいです。サシはあまり入らない部位となります。また、図を参照にAは「まるしん」、Bは「かめのこ」、Cは「ひうち」(ともさんかく)、Dは「まるかわ」(しんたまかぶり)とそれぞれ特徴を持ち合わせています。

まる1

シンタマ部位のすじ引きは、すじ引きそのものの技術を発揮できる部位です。技術の良し悪しが最も顕著にあらわれる部位ですが、品質もよくしっとりしたものは、非常に気持ちよく作業も進められます。

「ひうち」(ともさんかく)部位の脂肪を取り除き、ひうちのすじを引きます

  • ひうち(ともさんかく)部位の左側面の脂肪をひうちに沿って取り除きます。
  • ひうちのすじを引き、すじは、最初だけ厚く後は薄いため引きづらいが、左側面のすじは完全に取り除きます。

まる2

まるかわ部位の外側面のすじを引きます

  • まるかわ部位だけすじを引きます。
  • まず、ナイフを大きく使って一枚すじで引き上げます。

※ここに小さなすじ(肉片)があったら先にとります。

まる3

シンタマよりひうち(ともさんかく)部位を剥ぎ取り分割します

  • しんたまよりひうち(ともさんかく)を取り除きます。このとき脂肪はできるだけひうちに付けます。これは、二度手間をかけないために行います。(先に境目にナイフを入れ、ひうち部位の肉厚の方より剥ぎ取ります)
  • かめのこ部位まで薄く覆っている脂肪も一緒に剥ぎ取ります。

まる4

かめのこ部位外側の薄いすじを引きます

  • かめのこ部位の薄いすじを、肉の目に逆らうように皿骨の方より引きます。(この透けて見える薄いすじも慣れると三回くらいで引けるようになります)

※他のすじは手は付けないでおいておきます。

  • すじ引きナイフが切れすぎるとすじの方が切れて作業がしにくいです。ナイフは、すじ引きに馴染んだものを使用したものが良いと思います。

まる5

かめのこ部位外側厚めのすじを引きます

  • 裏側の肉の下にラスター等を置くと、すじを引くかめのこ部位が持ち上がり作業がしやすくなります。
  • ナイフを逆手に持ちすじを引き上げます。

まる6

しんたま部位よりまるかわを分割します

まるしんのすじに沿って割り、皿骨までナイフを入れます。

まる7

皿骨につながっているまるかわのすじを切り離し、しんたま部位よりかぶりを取り除きます。

かめのこ部位との境に沿って割り、皿骨につながっているすじを切り離し、しんたまよりまるかわを切り離します。

まる8

かめのことまるしんをすじに沿って切り離します

  • まず左手で皿骨を持ち、すじが張るように引っ張ります。
  • はじめはあまり深くナイフを入れないで、すじに沿ってなぞるように浅く入れ、2回目に大きく入れ角度をつけすじに沿ってナイフを入れます。

※慣れると2回で分割ができます。

まる9

ひうち部位のすじ引きと整形

  • まず、外側の皮下脂肪を3ミリ程度残して余分な脂肪は取り除きます。

※脂肪がなく、透けている部分はすじを引きます。

  • ついで、内外の脂肪を全部取り除いてすじを引きます。

※横の部分のすじも取ります。

まる10

まるしん部位のすじを引きます

まるしんのまわりのすじをすべて引き上げます。

まる11

まるしんをすじに沿って分割します

  • 真ん中に入っているすじに沿って、まず手前よりナイフを角度をつけて入れます。
  • 左手ですじを張りながらナイフを徐々に深く入れ、すじの上をなでるようにして分割します。

まる12

かめのこ部位のすじを引きます

外側は小割り時にすじを引いているので残りの内側を引きます。

先に、大きいすじの周りの薄いすじを引きます。左手ですじを張り、ナイフを逆さにもって反対側にはねるようにナイフを使いすじを引き、全ての脂肪とすじを除去します。
まる13

まるかわ部位のすじ引きと分割

  • 骨肌を引き、引きやすいようにナイフの裏でなでて平らにして、骨肌を引きます。
  • 皿骨につながっていたすじも、脂肪も取り除きます。

まる14

まるかわを分割します

まるかわの中に食い込んでいるすじに沿ってナイフを入れ、分割します。
※最初、スジに沿って浅くなぞるようにナイフを入れ、すじを出し、次に徐々に深くすじに沿ってナイフを入れ、分割します。

まる15

まるかわのすじを引きます

分割されたまるかわは、まず脂肪を取ってから周りのすじを引きます。大きなすじが2つ盛り上がったところにあります。

まる16

内側の残りのすじを引き上げます

まる17
ここまでで作業が終了です。

「マルシン」部位の各小割した商品例

ここでは、小割した部位の商品化について記載していきますが、あくまでも一例であり品質によっては、ステーキや焼肉にならない場合もあります。

「まるしん」部位

まるしんは赤身肉でやわらかく(特別やわらかいとはいえません)形や大きさも手ごろです。このまるしんは真ん中にすじが一枚入っていますが、このすじに沿って2分割にもできます。下側の肉は薄く、上側は厚いがともに赤身肉とモモ系なのでヘルシーな一品です。
まる18

ステーキやローストビーフには、分割せずになかすじを半分位取り除いて、大きいままで商品づくりができます。
まる19
両端はカレーや焼き肉用に使います。
※品質によっては、硬いものがあるので薄切り焼肉としても使われます。

ローストビーフ用
ローストビーフ用
マルシンミニステーキ
マルシンミニステーキ

「ひうち」(ともさんかく)

もも部位で最もサシの入りやすい部位で、そのサシも小さく見栄えも良く、味もよいのですが特にやわらかいとはいえません。肉質は、水分量が少ないため変質が遅いことが特徴的です。
まる22

ひうちは、肉の目の流れが変化していて、注意しながら焼肉をカットしなければなりません。
しんたま16

かめのこ部位

赤身で硬い部位のかめのこ部位は、パサパサしていいてステーキには向かないものですが、ひと昔前までは、ユッケなどによく使われていました。現在では、しゃぶしゃぶ用やたたきとして使われることが多いです。

まる23

まるかわ部位

まるかわは2等分されますが、肉に厚みがないが、赤身肉で味がしっかりしています。主にたたきに向いていますが、ほとんどはこま切れに使われる事が多いです。

まとめ

今回は、「しんたま」部位でしたが、「まるかわ」、「まるしん」、「かめのこ」、「ひうち」の集合したもので、それぞれが独自の特徴をもった部位です。すじ引きにおいては、その人の技量が最もあらわれやすいものですが、この部位ができるようになれば他の部位もきれいに作業ができるようになります。

希少価値の高いものもありますので、是非とも価値を生んでいきたいものです。

エムマートにある「ともばら」部位の商品づくりの方法とは?

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「ともばら」部位の「なかばら」を徹底解剖

リブロースとサーロインに接続し、「かたばら」の後方に位置します。通常、「ばら」と呼ばれているのは、この部位のことです。総じて、繊維質、筋膜が多く、肉のきめは粗い部分ですが、よく脂肪交雑が入り、濃厚な風味をもっています。

薄切りや煮込みにすれば調理上、難はありません。大衆的な牛丼や焼肉は、おおむねこの部位を使用しています。また、肋骨をばらにつけて骨付き状態のままカットしたものは、煮込みにしますと濃厚なスープがとれます。煮込むことで骨周辺の骨膜、筋膜が軟らかくなると、大変おいしいものになります。

今回は、「ともばら」部位でも「なかばら」について着目していきます。また、流通においてともばら部位は、「なかばら」部位と「そとばら」部位に分割されています。これは、梱包においてともばら部位は、かなりおおきいものになりますので、肉質の若干違う部分から切断され流通されています。

また、地域によっては、「上ばら」、「並ばら」ともよばれています。

ともばら部位の分割

まず、点線(図参照)よりなかばら部位とそとばら部位を切り離します。切り離すときは、どちらかに片寄らないで2等分になるようにします。

ばら1

ともばら(なかばら)部位のすじ引きと整形

  • 脱骨あとの骨肌、軟骨を完全に取り除きます。
  • 脂肪の厚い部分は脂肪を多くつけ過ぎない(0.7ミリ以上10ミリ以下が目安です)
  • なかばらのすじ引き

    ともばらから分割したなかばらのすじを引きますが、まず、この白いすじを手で剥がし取ります。そのとき余分な脂肪は5ミリ位残して取り除きます。
    ※ばら上面の薄い雑肉は切り離し、コマ材、カレー用に使います。
    ばら2

    なかばら部位の肋間筋のすじを引きます

    すじ(すじというより膜)を引き、印や汚れを取り除きます。これは、一つ繰り返し最後まで取り除きます。
    ※すじの上面に脂肪が多いときは、まず脂肪を取り除いてからすじを引きます。厚い脂肪を取り除いてからすじを引かないけない。
    ※引くすじの上面が縮んだりデコボコになっていることが多いですが、そんなときはナイフの裏側でなでて、平らにしてから引くとよいです。
    ばら3

    骨肌、軟骨、小骨を取り除きます

  • 脱骨あとの骨肌や軟骨、小骨を完全に(確実に目を通して)取り除きます。
  • ×印のところに、軟骨や小骨が残っていることが多いから注意します。
  • ばら4

    かいのみ内側のすじを引きます

    かいのみ上面の脂肪は取り除きます。すじ上面脂肪はとりにくいので、図のようにナイフの背ですじに沿ってこするように取り除きます。こうすることにより、すじが縮んでいるのものばすことができます。
    ※ばらを裏返し、外側を整形します。
    ばら7

    外側のカッパを取り除き、余分な脂肪を取り除きます

    かっぱを取り除きます。
    ※かっぱの薄いところはすじ肉用にします。厚いものはひき肉用に使い、厚くて変色しているものはハンバーグ材用にします。乾燥しているものはなるべく処分した方が良いです。
    ばら5

    外側の脂肪を取り除きます

  • 余分な脂肪を取り除きます。ここでは、5~6ミリ位脂肪を残し、余分な脂肪は取り除きます。このときは、ナイフを大きく使ったほうが良いです。(ナイフは大きく使った方が綺麗に仕上がり、時間短縮にもつながります)
  • この部位を大きいまま商品づくりするときは、脂肪を一面に薄く取り除き、さらに図のように脂肪、すじを取り除きます。
  • ※これは、そとばら側を取り除き、ロース側を取り除くと肉がばらばらになるから)
    ばら6

    かいのみ部位外側のすじを引き、かいのみ上面の脂肪を取り除きます

    脂肪は手で剥がします。すじ上面は、ナイフの背ですじ上面をこするようにして剥がします。
    ばら7

    なかばら部位の分割とすじ引き

    ばら9

    Aのかた側赤身部分とすじ引き

    AとBの切り離す目安は、図のようにAの×印の手前から見て赤身肉が薄くなるとこです。

    外側の赤身肉と内側の赤身肉を分割します

    ※分割するときこの脂肪はどちらか片側につけます。こうすれば二度と手間がかからない。
    外側赤身肉のすじを引きます。そして内側の薄いすじを引きます。外側皮下脂肪側は薄く付けて仕上げます。
    ばら10

    内側赤身部分のすじを引きます

  • 内側赤身部分の裏側のすじを引きます。
  • すじ上面と周りの脂肪を取り除き、厚いすじを引きます。周りの薄いすじ膜も引きます。
  • ばら11

    なかばら部位の内側赤身部分の商品づくり

    なかばらの赤身部分は、サシがはいりやすく、見栄えがよく、風味もよいのでなかばら部位の中でも価値が高い部分となります。ですが肉質自体は、さほど柔らかくないのでミニステーキように厚切りには向いていません。焼肉用やシチュー用、切り落としに向いてます。
    ばら12

    焼肉用(例)
    焼肉用(例)

    なかばら部位の外側赤身部分の商品づくり

    薄い赤身肉で、片側は肉が厚く反対側に行くにしたがって薄くなります。肉質はやや硬いため、カレーや切り落としに使われます。
    ばら14
    ばら15

    Bのなかばら脂肪部分の分割と整形

    Bの脂肪の厚い部分は、図のように横に分割し、aとbとします

    点線部分より分割します。
    ばら16

    外側脂肪とすじを引きます

  • まず、脂肪を取り除き、その下にあるすじを取り除きます。
  • 内側脂肪を取り除きます。
  • ※脂肪の厚い部分は3ミリ位残して取り除きます
    ばら17
    ばら18

    a部分の商品づくり

    この部分は肉が硬いが味はしっかりしていますので、シチュー用や切り落としや肉質によっては、焼肉用に使います。

    焼肉(盛り合わせ)
    焼肉(盛り合わせ)

    b部分の整形

    このb部分は、脂肪が多く赤身肉の少ないなかばら部位の中でも最も価値の少ない部分です。肉じゃがや切り落とし用などに使われています。低価格な部分になります。
    ばら21
    ばら22

    Cのかいのみ側部分の整形

    かいのみ部位側に行くにしたがって赤身肉が厚くなります。外側赤身肉は硬めの肉質ですが、かいのみ部分は柔らかくなります。全体的に赤身の多い部分です。※注意したいことは、かいのみ部分と外側の肉の目が異なっていることです。

    商品づくりにおいてこの部分は、赤身が多く、見栄えもよいので冬場はすき焼き用、夏場は価値の高い切り落としによいです。

    ばら23

    小割とすじ引き

    先に、内側かぶりを切り離します

    かぶり部分を取り除いた内側脂肪を取り除き、赤身肉(かいのみ)のすじをひきます。

    ばら24

    Cのばら部分を2分割します

  • 真ん中の点線よりa部分とb部分に切り離します。
  • それぞれの外側脂肪を取り除き、その下のすじを引きます。
  • ばら25
    ばら26

    商品づくり

    主に焼肉用としてつかわれます。
    ばら27
    ばら28

    まとめ

    今回は、ともばら部位のなかばらを中心に記載していきましたが、この部位の多くは、焼肉用か切り落としに使われることがあり、焼肉店においての焼肉や牛丼の肉としてつかわれる事がよく聞きます。

    また、肉質としても価値のある部分と低い部分と別れていますので、焼肉や切り落としでもそれぞれが安い焼肉であったり、高い切り落としになったりします。例えば、上カルビとカルビなどの違いです。探求すればするほど肉そのものを知ることにつながりますが、このなかばら部位は、料理用途によっては分割方法に違いがでますので、今回の方法は、ほんの一例にすぎません。

    是非ご参考までに。


    エムマートにある牛肉の「ともばら」部位の「そとばら」編

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    牛肉の「そとばら」部位を徹底解剖!

    前回は、「ともばら」部位にある「なかばら部位」小割・すじ引きや商品づくりにおいて紹介していきました。

    エムマートにある「ともばら」部位の商品づくりの方法とは?
    今回においては、「ともばら」部位を分割した後にでてくる「そとばら」部位について記載していきます。多くのお店では、切り落としや焼肉に使われているこの部位は、どのように小割(分割)を行えば焼肉などの商品になっていくのかなど、その一例を紹介していきます。

    「ともばら」部位のすじ引きと整形(右側)

    そとばら部位において留意すべき点とは、骨肌、軟骨が多いことから、これらを完全に取り除く必要があります。それは、人が食する事によって不快を感じるもので、異物となります。食肉全般に言えることですが、人に異物と言われるものが、骨、血管、しこり、残毛が代表的です。また、残毛においては、人間のものと動物の2つがありますが、動物において毛の生え変わり時期に毛が抜けることから注意すべき点だと言えます。また、脂肪をつけ過ぎない事がポイントとなっています。

    表面の幅広いすじを手で剥ぎ取ります。

    • 左端の脂肪を端から端まで切り落とします。
    • 次に、手ですじを持って引っ張り剥がします。かぶり部位末端のところで、すじと斜め横に(点線)つながっているところでナイフで切り、そのまま次のすじと一緒に一枚のすじとしてフランク末端まで剥ぎ取ります。

    ※左端にナイフが入ってないと上手に剥がれません。(豚と同じです)
    そと1

    脱骨間のすじを引き、脱骨したあとの骨肌、軟骨を完全に取り除きます。

    骨肌、軟骨を丁寧に取り除きます。
    ×印のところは特に多いので注意が必要です。
    そと2

    裏返してかっぱのすじの引きやすいように、手で平らになでます

    フランク上のかっぱ肉は、表面のすじを引き、点線より切り離します。
    ※かっぱ表面を手でなでると、表面が平らになってすじが引きやすくなります。
    そと3

    かっぱ表面のすじを引き、余分な脂肪、印、汚れを取り除きます

    まず、フランク部位の方よりかっぱの表面すじ全体を引きます。次に、余分な脂肪と印、汚れを取り除きます。
    そと4

    かっぱ部位下側の脂肪が厚いものは、先にかっぱ肉を取り除き、その下の脂肪を6ミリ位残して余分な脂肪を除きます。
    ※小割しないで、大きいまま商品づくりするときは、図のように両端の脂肪、その下のすじまできれいに取り除く方がよいです。(品質の価値があがるため)
    ※薄いかっぱすじが、透けるように幅広く上手に引けるようにしなければなりません。
    ※かっぱ肉は硬いので、かっぱ上面のすじを引き、かっぱ肉を取り除いてひき肉かしぐれ煮によく使われる。

    フランク部位のすじを剥がして、取り除きます

    フランク部位上面の黄色い厚いすじを剥がしてとります。
    そと5
    そと6

    そとばら部位の商品づくり

    皮下脂肪に覆われ、脂肪が多く、肉質は硬いがこくがあり味があります。そとばら部位の、かた側は肉厚で、フランク側にいくにしたがって肉薄になります。(品種や品質によっても違いがあります)

    そと7

    かた側Aは肉厚部分は、単品で商品づくり(すきやき、シチュー、しゃぶしゃぶ用、切り落とし)ができます。かた側Bは、単品で商品づくりはしません。必ず赤身肉と合わせて商品づくりする必要があります。

    ともばら部位の小割

    かぶり部位を取り除きます

    ※ばら部位とかぶり部位の境に沿って取り除きます。
    そと8

    ともばら部位を3つに分割します

    そとばらを3つに分割し、A,B,Cとします。
    ※図のようにAは、そとばらの肉厚部分、Bは、間、Cはフランク部位に分割します。

    • Aのばら部位は、肉厚でシチュー、すきやき、しゃぶしゃぶ用にできます。
    • Bのばら部分は、肉付きが薄く脂肪が多いので、赤身肉との合わせ切りがよいです。
    • Cのフランク部位は、赤身肉で柔らかくて味もよいです。

     
    そと9

    Aのそとばら肉厚部分のすじ引きと整形

    裏側のすじを引き、余分な脂肪を取り除きます

    そと10

    • 上に細長く付いている肉を、先に取り除き、脂肪を綺麗に取り除きます。
    • 血管も綺麗に取り除きます。

    そと11

    外側脂肪を取り除き、すじを引きます

    外側脂肪を取り除き、その下のすじを引きます。
    ※かぶりは硬いので取り除いた方が良いです。

    Aの肉厚部分の商品づくり

    図のように3つに柵どりします。
    そと12

    • Aは、肉厚でサシも入り、柔らかいので焼肉などによく使われます。
    • Bは、肉付きのよいものは、サシも入り見栄えもよい部位ですが、薄いものは価値がおちます。焼肉や切り落としなどに使われます。
    • Cは、肉付きが薄く、中に脂肪が入っていて硬いです。

    しゃぶしゃぶ用
    しゃぶしゃぶ用

    そと14

    ともばらかぶりの整形とすじ引き

    裏側のすじを引き、余分な脂肪を取り除きます。
    ※かぶりは、肉付きが薄いがサシも入り、味は良いのですが変色が早い。
    そと15
    そと16

    焼肉用(例)
    焼肉用(例)

    Bのそとばら部位肉薄部分のすじ引きと整形

    そと18

    外側の脂肪を取り除き、すじを引きます
    • 外側のかっぱ肉を取り除き、脂肪を取り除き、その下のすじを引きます。
    • 内側の余分な脂肪を取り除きます。

    そと19

    商品づくり

    肉薄ではありますが、ここまで整形すると脂肪も少なく商品づくりしやすいですが、食感や味もさほど良くないので価値が薄い。安価な切り落としとして使われますが、赤身肉と合わせた方がよいです。
    そと20

    まとめ

    今回は、そとばら部位の商品ができるまでの工程を記載させて頂きましたが、品種、品質によっては違いがでます。
    肝心なのは、肉質をみてどのような用途や提供することが大切となってきます。

    エムマートでみる「そともも」部位の活用の仕方とは?

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    牛肉のそとももを徹底解剖!

    もも系の部位では最も運動量の多い部位です。したがって、全体的に肉のきめは粗く、肉質はやや硬い部位となりますが、薄切りや煮込みに用いれば問題ありません。そとももは、「はばき」「しきんぼう」「なかにく」の3つに分けられ、「はばき」は、すねに近い特質をもっています。また、「はばき」を分割していきますと、「せんぼんすじ」という部位がとれ、多くのすじの集合体にもかかわらず、すねに近い特質をもちながらホルモンのような食感をもちあわせているため、品質によってですが「焼肉用」としても扱われています。

    「しきんぼう」は、最もきめの粗い部位ですが形状が整っていますので、使用目的によっては利用範囲が広がります。「なかにく」は、きめはそれほど粗くありませんので、一般的な牛肉料理に利用できます。欧米では、この部位を生のコンビーフ(チルド状態で一週間位塩漬けしたもの)に加工して市販います。また、肉質が硬いにもかかわらず好んでこの部位を調理の素材として利用しています。

    また、一部の地域になりますが、輸入牛の「そともも(シルバーサイド)」赤身肉と味わいを用いてしぐれ煮に使用しているところもあります。

    そともも部位の分割と筋引き(左部位)

    そともも右部位の分割と整形は

    エムマートでみる アウトサイドフラットとは?

    はばき部位を分割します

    境目に沿って、そとももよりはばきを取り除きます。

    そともも1

     

    まくら(しきんぼう)部位を分割します

    • すじに沿ってしきんぼうとなかにくの境目にナイフをいれ、まくら部位を切り離します。

    ※すじといっても、ごく薄いすじです。これをまくら部位に沿って切り離します。まくら部位はまるみがあるので注意しなければなりません。

    • まくら部位のすじを引きます。

    ※皮下脂肪は薄く残した方がよいです。
    そともも

    そともも部位、こそともも部位の分割

    • 先に、そともも部位上面、はばきを分割したあとの脂肪、その下のすじを取ります。
    • そともも、こそともも間の太いすじに沿ってナイフを逆手に持ち、そともも、こそとももを分割します。
    • ナイフを逆手に持ち、こそともものすじを引きます。

    そともも3

    はばき部位の分割

    先に、食い込んでいるすじを出し、すじを引きます。

    そともも4

    次に、せんぼんすじ部位を分割します。

    せんぼんすじに沿って両側にナイフを入れ、アキレスけんの方よりめくりあげ、せんぼんすじ部位を取り除きます。

    はばき部位を分割します

    すじに沿ってナイフを滑らせるように入れ、分割します。

    そともも部位の商品化

    肉厚の赤身肉で、肉の目も変化しているやや硬めの部位です。特に肉の薄い部分は硬いです。すき焼き、しゃぶしゃぶ、たたき、佃煮、切り落とし、カレー用に使われること多いです。

    商品化の例

    肉薄の部分は、特に硬いから切り離してひき肉用やカレー用にします。
    そともも5
    これは、肉の目に直角に切るために分割するもので、ロスは出ますが本格的なしゃぶしゃぶ、すき焼き用に商品づくりするのによい方法です。

    3分割後いちぼ側
    3分割後いちぼ側

    切り落とし用にも、このように三分割したほうがよいです。また、肉厚のものは、さらにこれを切り開いて商品化します。小さいものは、横に2分割して商品化してもよいです。
    ※切り落とし、すき焼き用には、そともも部位の単品ではひかえた方がよいです。できれば「ばら」部位と混ぜあわせることにより、味がよくなります。

    まくら部位(しきんぼう)の商品化

    まくら部位(しきんぼう)は、皮下脂肪が少し付いた赤身肉です。形、大きさはよいが肉質はやや硬めで、調理すると(火をいれると)ちぢむ性質があります。また、商品化においては。しゃぶしゃぶ、ローストビーフ、切り落とし、シチュー、カレー用、たたきなどによく使われます。
    そともも7

    こそともも部位の商品化

    薄い三角形をした小さい部分肉。肉質は硬く、味はあまりのっていない。商品化においては、シチュー、カレー用、ひき肉に使われることが多いです。
    そともも9

    はばき部位の特徴と商品化

    二つの部分からなる肉付きの薄い、やや硬めの赤身肉。すじはそれほど多くなくすべて取り除くことができます。Aの部分は切り落とし、カレー用に。Bの部分は、焼肉、たたき、シチュー、切り落とし材用に使われます。
    そともも12

    せんぼんすじの商品化

    せんぼんすじと呼ばれるようにすじの多い部位です。細長い断面の小さな赤身肉で、すじが入っているわりにはやわらかいです。また、5ミリの厚さに切って「カツ」にしたら独特な美味しさがあります。
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    そともも13

    焼肉用
    焼肉用

    牛肉のコラム

    冷凍肉の上手な解凍方法

    冷凍肉は、低温でゆっくりと解凍するのが原則です。この目的は、肉のうまみとなっている肉汁が急に流れでないようにするためです。

    仮に、冷凍肉を夕食に利用する場合は、肉の大きさ、季節によっても違いますが、前日の夜か当日の朝のうちに冷蔵室に移し、ゆっくり解凍してください。良くない解凍方法としては、室温に放置するとか、流水や温湯に浸けることです。いずれの場合も肉の風味やうまみを損なう原因となります。

    料理の目的にもよりますが、なるべく半解凍の状態で調理するのが良い方法です。煮込み用の角切り肉は、このシャーベット状態のものを利用するに限ります。半解凍状態なら肉汁も流出することなく、煮汁の中にうまみが溶け込みおいしく利用できます。また、薄切り肉をしゃぶしゃぶにする場合も、同様に肉汁のロスを心配する必要があります。

    ローストビーフやステーキに利用する肉は、うまみが流出しないようにゆっくりと時間をかけて解凍しましょう。冷凍肉を販売するため、店頭で解凍しているものがあります。店頭でその旨表示しているものは購入の際に取り扱いに注意できますが、表示されていないものは肉の一部がまだ凍っている場合があります。家庭に持ち帰り開封すると、通常以上に肉汁がでているものがそれです。このような肉は、時間が経つほど品質が悪くなり風味を損ないますので注意が必要です。

    まとめ

    今回は、そともも部位について記載していきましたが、料理用途においては一例にすぎません。そとももは、地域や肉質、品種などによって多くの違いがでます。また、冷凍肉を扱う上での留意しておかなければならない事も記載させていただきましたが、常温や流水、温湯などで解凍しまうと、せっかくのお肉が台無しになってしまいます。

    通販でもよく見られますが高級肉においても最近は、冷凍したものが多く存在しています。是非とも抑えておきたいものです。

    エムマートでみる牛肉の見分け方と選び方とは?

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    牛肉の見極め方には格付け以外にも抑えておくべき基本がある

    牛肉には、肉の色沢、脂肪の色及び質、肉のきめ、しまりなどで肉の良し悪しや等級などで判断が可能になってきます。ただ、それ以外にも枝肉をみる祭に水っぽい牛は、歩留まりが悪いなどの格付けだけでは、判断できないものがあります。また、日持ちがする肉の見極めなど様々な事がありますが、今回は、抑えておくべき基本的な事について記載していきます。

    生き物を扱う事は、非常に難しく品質においては安定しづらい特性があります。それぞれの買い付けを担当する方は、個々の選ぶポイントが決まっていますので品質が安定に近い状態で提供されています。それには、数多くの失敗などの経験で成り立ちますが、肉の品質を見極めや選び方の基本的な事を抑えることによりより良い方向で牛肉を購入することができます。

    今回は、その基本的な部分を抑えながら記載してきます。また、品種や輸入牛によっても違いがありますので、留意しておきたいものです。

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    牛肉の色

    牛肉の色は、鮮紅色が標準的なものとして知られていますが、良いものは艶(てり)があります。しかし、これから述べる各種の条件によっては、牛肉の色は様々です。

    年齢、性別、品種別

    生後一年以下の子牛は、淡いピンク色ですが、加齢とともに筋肉色素の沈着が進み、濃い赤身を帯びてきます。

    欧米諸国にて、珍重されているホワイトビールと呼ばれる子牛の肉色は、ほとんど筋肉色素が沈着してなく、むしろ灰白色に近いものが、良質のものとされています。

    和牛の焼肉
    和牛の焼肉

    部位別による肉色の差

    よく運動する部位である、ネック、すね、かた、ばら、そとももなどは、肉のきめも粗く総体的に濃い肉色をしています。

    体調によるもの

    多頭数を、狭い畜舎に繁留したままの肥育、長時間のトラック輸送など、ストレスによる負荷によるものとして、屠畜後の肉色は赤身が強く、精肉処理の段階でも、良い発色作用がなく、かつ、持続性がないため、早い時間で暗赤色へと変化します。特に、発熱を伴う疾病になったものは、精肉処理後も良い発色せず肉色全般は艶がなく冴えない状態のままです。

    熟成によるもの

    牛肉は、良い風味や、柔らかさをだすために、適正な温度管理(0℃~2℃)のもとで、屠畜後、一週間から三週間の熟成が必要になってきます。オーストラリア産のラベル表示においては、屠畜日や解体作業を記載したものがありますし、個体識別番号から検索し、見込み日などわかるようにっています。
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    発色作用について

    部分肉から精肉にする段階で、肉の断面の色合いは、次のような変化が起こります。

    カットされた表面は、処理後30分程度で沈んだ赤色から、鮮やかな、紅色に発色しますが、肥育程度の良いものは、更に艶のある鮮紅色となります。これは、筋肉色素(ミオグロビン)が空気中の酸素に触れておこる、酸化現象です。

    良く肥育され、十分な脂肪交雑を伴った牛肉は、良い発色状態が長時間継続されます。一般的には、時間の経過とともに、発色作用は次第に弱まり、筋肉色素のミオグロビンはメトミオグロビンへと変化し、暗赤色となります。スライス肉や切り身で、積み重なった部分が、暗赤色になっていることがありますが、空気に触れないままの状態で、重なったので、十分な発色作用が起こらなかったからです。

    腐敗への肉色の変化は、暗赤色を超えてから黒みが強くなっていきます。そして、黄色いネトが発生し異臭を放ちます。勿論、廃棄処分の対象となります。暗赤色に変化したものは、すべて変質、または腐敗していると判断するのは、誤りですが、風味の点では、相応に劣化しているものと思慮されます。

    脂肪の色および質

    良い脂肪とは、白色又は、乳白色で適度の弾力と粘りのあるものです。このような脂肪は、食欲をそそる芳香と、うまみを持ち、牛肉の風味の決め手ともなります。

    和牛の理想肥育(生後24ヶ月位)からロース部位などに、霜降り状態の脂肪交雑が入り、風味や肉質の柔らかさは問題なく、更に濃厚肥育(32ヶ月前後)に至れば、各部位にわたり良好な肥育状態となります。

    しかし、脂肪の色や質は、飼料に影響されるところが大きく、穀物のうち大麦、小麦などの麦類は、良い脂肪を作り上げるものとして知られています。また、カロテン(黄色色素)が多く含まれる緑草、とうもろこしなどを多給しますと脂肪にカロテンが沈着し、黄色から褐色の脂肪となります。加齢が進みますと、各種の色素が皮下脂肪に滞積し沈着します。

    飼料に起因する脂肪の香りに、問題のある場合は、調理の過程で香辛料、香味野菜を用いて調理しましょう。

    きめ、しまり

    肉のきめは、細かいとか、粗いという表現になりますが、これは肉の善し悪しを、判定する基準を、意味するものではありません。肉のきめの細かい部位は、運動をあまりしないところで、肉質はやわらかいのが特徴です。牛肉の部位を表す分体図を見ますと、大方、背中にある部分となります。かたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、らんいち(らんぷ
    )などがそれに相当します。一般的には、いわゆる高級部位と呼ばれ、評価も高い部位となります。

    一方、よく運動する部位のネック、かた(うで)、すね、ばら、そとももなどは、きめの粗い、肉質は硬い部位となります。

    肉質のやわらかい部位は、一般的には高い評価となりますが、これによってだけ、良い肉と連想するのは誤りです。即ち、肉料理には、それぞれの料理に向く最適な部位があります。

    部位のもつ、特質、特徴をよく習得、理解することにより、良い料理が、更に経済的に仕上がります。たとえば、煮込み、スープなどの場合は、きめの粗い、硬い肉質のところをよく煮込むことによって、エキス分、ゼラチン質を多く含む、この部位のもつ特質が生かされ、より味わい深い料理ができます。

    肉のしまりは、肉質の良し悪しを見分ける方法です。しまりの良い肉とは、一定の形状をもつブロック肉、切り身を見た場合、きっちりと当初の姿を保っている肉質のものです。十分な肥育状態のものや、若齢のものは、水っぽく肉質の劣る、しまりの悪いものとなります。
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    まとめ

    今回は、肉質を見極める事について着目しましたが、これまでの記載を抑えておくべき基本であり、牛肉を生かす技術や知識も必要になってきます。良いものはより良くということが大切なのではないでしょうか。

    牛肉の希少部位まとめ

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    焼肉として使われる希少価値の高い部位を網羅しました!

    今回は、格付け(品質)や品種よって違いはありますが、焼肉用として使われる希少部位をまとめてみました。作業性や量が少ないことから非常に店頭にならぶことがあまりありませんが、知っておいても損がないかと思います。

    例えば、ステーキなどで代表的なヒレは、一頭の牛から得られる牛肉の中で、ヒレの占める割合はわずか3%しかありません。そのような部位が他にも多く存在しています。その希少価値の高い部位をまとめてみましたので、是非ご参考にしていただければと思います。

    ネクタイ(らんいち部位)

    らんぷ上面に付いている雑肉の間にある細かくて肉薄の部位です。柔らかく味もよいです。品質の良いものは、サイコロステーキや焼肉、そのまま一枚のステーキ用として販売もされています。
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    まるしん(しんたま部位)

    まるしんは赤身肉で柔らかく、(特別やわらかいとはいえない)形や大きさも手ごろです。このまるしんは真ん中にすじが一枚入っている。このすじに沿って2分割する場合もあります。下側の肉は薄く、上側は厚いがともに赤身肉で価値があります。また、関西では、まるしんと呼ばれていますが、関東においてしんしんと呼ばれています。
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    まるしんの分割とすじ引き

    まるしんをすじに沿って2分割します。内部を逆に持ち、真ん中に入っているすじに沿って手前よりナイフを入れます。(図参照)左手ですじを張りながら、ナイフを徐々に深く入れ、すじに沿って分割します。
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    まるしんの商品化のポイントとは?

    • 焼肉、たたきなどの商品づくりには、中のすじに沿って2等分にし、すじをよく取り除いてから商品づくりします。
    • ステーキ、ローストビーフには、分割せずになかすじを半分位取り除いて、大きいままで商品づくりします。
    • まるしんは、場所によって肉質や柔らかさに差があるので注意します。
    • 中の太いすじは半分以上取り除いてから商品化にします。
    まるしん焼肉
    まるしん焼肉

    ともさんかく(しんたま部位)

    もも部位で最もサシの入りやすい部位で、そのサシも小さく見栄えよく、味もよいです。(特に柔らかいほどではないです)形が三角形をしているのでともさんかくと呼ばれ、関西では「ヒウチ」とも呼ばれています。
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    ともさんかくの商品化のポイントとは?

    • ともさんかくは肉の目の流れが変化していて、焼肉の厚さをよく考慮して切らなくてはなりません。
    • ステーキ用に厚切りにするときは、必ず肉の目に直角に切らなければならないので、肉の目の流れの変化するところで部位を分割し、それぞれの目に対して直角に切る必要があります。
    • サシが入っていて商品づくりをしても見栄えがよいのですが、見栄えほど柔らかくないので厚切りのステーキは、避けた方がよいです。
    ともさんかくの焼肉
    ともさんかくの焼肉

    せんぼんすじ(そともも部位)

    せんぼんすじと呼ばれるようにすじの多い部位。細長い断面の小さな赤身肉で、すじが入っているわりには柔らかいです。
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    エムマートでみる「そともも」部位の活用の仕方とは?

    ざぶとん(肩ロース部位)

    赤身肉で肉も厚く、断面も適度にあり、サシも入りやすい部位なので、見栄えも最高です。ただ、風味は、リブロースやサーロインに比べて落ちます。肉の目が一定していないので注意が必要です。また、肉質は、やや硬めなので厚く切らない方が良いです。
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    ざぶとん焼肉
    ざぶとん焼肉

    くり(うで部位)

    くり部位の右側の端は肉が硬いが、他の部分はやわらかく、肉質もよいです。しかし、味にコクが少ないです。

    くり部位のすじ引き

    • くり上面のすじを引き、周りのすじを引きあげます。
    • くり部位のなかすじを取り除き、くりを2つに分割します。

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    くり部位の商品化のポイントとは?

    くり部位は、赤身の肉で商品づくりのしやすい部位です。肉質はあまり柔らかくないのでステーキ用には難しいと思います。薄切りの焼肉として活用されます。

    くり焼肉
    くり焼肉

    ほんみすじ・みすじ(うで部位)

    肩甲骨の上下に、肩甲骨にかぶさるように付いているのがうわみすじで下の部分がほんみすじです。この部分は、さしが最も入りやすく、見栄えのよい細長い肉質の赤身肉です。肉質、味とも良いです。
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    ほんみすじのすじ引きと小割

    • ほんみすじの周りのすじを引きます。ほんみすじ上面の脂肪を取り除き、みすじの外側のすじを引きます。
    • ほんみすじを分割し、なかすじを引きます。

    ほんみすじ部位の商品化のポイントとは?

    • ほんみすじは、うで部位で一番価値の高い部位です。これは、まず、なかすじを取り除いてから商品化にします。
    • 先端の約8センチくらい(やわらかい部分)は、すじが薄いので取り除かなくてもよいです。

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    たわら(まえすね)

    すね部位の一部であるたわら部位は、品質が良く柔らかいですが、すじが厚いので取り除かなくてはいけないところが多いです。
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    エムマートにある牛肉のすね部位のすじ引きの方法と使い道とは?

     

    かいのみ(ともばら)

    かいのみは赤身肉でサシが入りやすい部位です。肉付きよいものは肉に厚みがありますが、そうでないものは薄い独特な肉質で、肉の目は粗いが柔らかい。しかし水分が少ないためパサついた独特な味わいで、サガリの味わいによく似てます。
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    かいのみ焼肉
    かいのみ焼肉

    フランク(ともばら)

    フランク部位は赤身肉でやや肉の厚い幅の広い部位です。柔らかく味も良いので、価値が高い部位となっています。焼肉にカットすると笹の葉のようなサシの入り方から、地域によっては「笹の葉カルビ」とも名付けられています。
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    フランク焼肉
    フランク焼肉

    まとめ

    今回は、希少価値の高い部位を厳選してまとめましたが、いかがでしょうか?地域によっては食べられる部位もありますが、一頭で提供している焼肉店なら可能なのではないでしょうか。

    是非参考になればと思います。

    安い牛肉を料理するために必要な基本となる知識とは?

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    牛肉を扱う上で抑えておきたい料理の基礎知識があります

    料理(調理)は「焼く、煮る」などを本調理とするならば、「切る、たたく」などは補助作業ですが、良い料理をつくるための手順ですからおろそかにはできません。材料や時間を無駄にせず、能率よく料理を作るためには、補助的な調理と本調理のポイントを理解することで、効率や安い肉を生かす上で大切な事です。

    補助的な調理方法

    切るとは?

    硬いものを食べやすく、消化吸収をよくするために、また材料に火や味が平均に通りやすくするために、焼く、煮るなどに先立って行う作業です。

    肉は切って長く置くと肉汁が出て切り口の鮮度が落ちるので、塊の場合は調理の直前に切るようにします。切断面が荒く、肉汁の流出を防ぐよう、ナイフはよく切れるものを使用します。塊肉を切るときは、肉の繊維に直角に切ると柔らかく、熱の通りもよくなります。ただし、これは短時間の加熱に適する方法で、長く火を通すと肉汁が出て味も落ちます。肉の形や大きさは料理の種類により、加熱時間や煮汁の量にあわせて決めます。

    中国風の千切り炒めなどは、繊維に沿って切ると、火を通しても縮めたり、バラバラに崩れたりしないので綺麗にできます。

    たたくとは?

    肉たたきで肉を軽くたたいておくと、肉の繊維がつぶされるため柔らかく食べられます。また、1cm厚み程度の肉を短時間に焼く場合は、焼き縮みを防ぐことができます。しかし、肉は調理の下準備の段階でいつもたたくとは限りません。

    例えばステーキの場合、ヒレ肉のように柔らかく厚めのものはたたきません。ロースの場合も軽くおさえる程度です。ミニュッツステーキの場合はたたいて薄くします。

    すじ切りと縮め戻しとは?

    肉をステーキやフライにする場合、筋があると焼いてから縮んで反り返るので(肉と筋の加熱による縮み具合が違うため)赤身と脂身の境目にある筋を切っておきます。

    このように筋を切った肉でも、焼くと多少は縮みます。この時なるべく平らに縮みます。この時なるべく平らに縮まるように筋切りした肉は、手で軽く元の形に縮み戻しておきます。こうすることで平均に美しい焼色が付きます。

    また、肉自体に柔らかさをもたすため様々な器具がありますが、テンダーライザーのように肉の繊維を切って柔らかくする方法もあります。

    染み込ませるとは?

    肉の自然の持ち味に、更に良い香りや味を添えることです。方法は、焼肉や焼き豚のようにあらかじめ調味液に浸して下味をつけたり、洋風では漬け込むこと(マリネ)をします。漬け汁のことをマリナードといい、大別しますとオイル系とワイン系の2つのタイプがあります。

    オイル系マリネはステーキ用に適しています。玉ねぎ、にんじんの薄切り、セロリの葉やパセリ、ローリエ、セージ、タイム、粗びきこしょうなどを肉の上下に挟み、オリーブ油かサラダ油(肉の重量の10%)をかけ、ラップで覆い2~3時間の早漬けか、一昼夜位置きます。肉質をならして熟成も進みます。

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    ワイン系マリネはシチュー用などの肉の下処理に適します。ワインは赤、白どちらでも良く、肉の20%と香味野菜や香辛料はオイル系に準じます。肉と漬け汁をポリ袋などに入れ、空気を抜いて口をしっかりと留め、冷蔵庫内に1日~2日保存します。肉を取り出した後のマリナードは材料と共に調理するか、または他の料理のタレなどに利用できます。

    まぶすとは?

    肉を油で炒める場合、肉の表面に小麦粉を薄くまぶします。その理由は材料に早く焼き色を付けるためと、粉で膜を作って中の肉汁が逃げるのを防いだり、また口触りを柔らかくします。フライの時には粉をまぶした上に、更に溶き卵とパン粉を付けます。これは材料に油が染み込まないように、また材料から水分が出ないように壁の役目を果たし、更にパン粉の香ばしいにおいが付いてサクサクした歯触りも楽しむためです。

    最初の粉はなるべく薄くまぶします(厚く付けると卵がはじかれて絡み付きにくくなります)。全卵だと手軽で失敗は少ないのですが、ただパン粉が多く付きすぎて衣が厚くなります。溶き卵は、ほぐした卵の二分の一量位の牛乳か水で薄めると良いでしょう。

    薄い衣は舌触りが柔らかく肉の持ち味がよく味わえます。パン粉をまぶすときは、上から軽く押さえる程度とし、またパン粉を付けたままで長く置くと材料から湿り気が出るので良くありません。また、パン粉を付け終わった肉の重ね置きもよくありません。

    本調理方法とは?

    肉において代表的に調理する方法といえば「焼く」になります。今回は、この「焼く」についてのポイントについて抑えていきます。

    牛肉の焼き方とは?

    焼き物は、放射熱または熱したフライパンや鉄板などの伝導熱で比較的高温で加熱する調理で、肉の持ち味を最高に引き出す調理法です。

    食品の表面は高温に接しているのですが、その内側は外部からの熱伝導による温度の上昇に過ぎず、水分があるので高くなっても80℃~90℃程度なので表面はカリッとしても内部はしっとり保たれます。
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    特徴とは?

    肉そのものを味わう料理方法です

    他の調理法よりごまかしが利かず、食品そのものの持つ性質の影響が大なので、肉は部位や切り方を指定して求める必要があります。

    やわらかい肉が適します

    水を使わずに、高温、短時間に調理するため、硬い肉は不適当です。ただし、ひき肉にして副材料をまぜれば柔らかく扱うことができます。

    焼き味が肉にプラスされます

    肉の表面を強火で焼くと表面のたんぱく質が急速に固まり、薄い膜が出来、肉のうまみが流れ出るのを防ぐと共に、適度な焼き加減の風味と香りがつきます。
    食べるタイミングでも味が左右されます。
    焼肉は調理条件がすべて整っていても、熱いうちに食べなければ味は半減してしまいます。そのためには、ソースや付け合せの準備、食卓のセットなどは前もってするように心配りします。

    焼き方の種類とポイントとは?

    焼き方の種類とは?

    熱源からの放射熱が食品に直接伝わる直火焼き(網焼き、串焼きなど)と高温の金属板からの伝導熱、放射熱、対流熱を利用して肉を焼く間接焼き(フライパン焼き、鉄板焼き、包み焼き、オーブン焼き)があります。

    間接焼きはほとんど煙が出ないので家庭の焼き物には重宝に使われ、特にフライパン焼きは手軽です。大きい塊肉は、熱が全体に同時に当たるオーブン焼きが適します。しかも肉を返したり位置を変える必要がないので便利です。肉からでる水分が蒸気となって中まで十分に蒸し焼きされ、水分も保たれてしっとりと仕上がります。包み焼きは、肉にこげ目をつけないで、肉の風味を失いたくないときに用いる方法です。

    焼き方のポイントとは?

    焼き物はなんといっても火加減が大切です。ステーキとローストの火加減をマスターすれば、ほぼ焼肉にも通じるので次回の記事を参考にしていただければと思います。

    まとめ

    今回は、牛肉料理において抑えておくべき知識について記載しました。「焼く」という特徴をおさえながどのような方法で料理をすれば効果が可能なのかと抑えておけば牛肉を最大限に生かす事ができますので是非とも参考にしたいものです。

    安い肉でもおいしく味わえる焼き方がある

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    牛肉には抑えて抑えておくべき焼き方があります

    今回は、前回に引き続き「焼く」といものと基本的に抑えておくべき知識について記載しましたが、その続きである「焼き方」について触れていきます。

    安い牛肉を料理するために必要な基本となる知識とは?

    前回は、「焼き方の種類」について記載しましたが、今回は、焼き方と使用器具について抑えていきたいと思います。

    「焼く」上で抑えてたい器具の種類と調味について

    調味とは?

    塩味やしょうゆの味を濃くすると肉のうまみが流れでてしまうので、塩分で0,8%前後にします。肉特有の臭みを取り除くためには、香辛料、香味野菜、酒、しょうゆ、ソースなどを使用することです。こうすると別の風味を添えて味の変化もつけられます。

    振り塩以外には、煮物のように加熱しながらの調味はあまり行わないので、焼き上げて後、ソースやたれをかけて味を調節します。

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    器具とは?

    フライパンとは?

    炒め焼き(ソテー)の場合、手軽に使えるのがフライパンです。縁が浅いので蒸気がこもらずカラっとよく焼けるのが特徴です。材質は、鉄製が熱ムラがなく良いようです。最近焦げ目なく綺麗に焼けるテフロン製もよく用いられます。フライパンは小さすぎると肉を焼くより煮る状態になり、逆に大きくて面積が広すぎると肉の水分の蒸発が多くなります。なべの大きさと肉のバランスが大切です。普通の直径24cmのフライパンなら一度に2~3枚程度は焼いた方が効果的で、肉をいれて周りに少しゆとりのあるのが理想的です。

    グリルとは?

    グリル(網焼き)による調理は、平行に並べて熱した鉄棒の上に肉を置いてあぶる料理方法ですが、家庭ではほぼそれと似たことをグリルパンで行うことができます。グリルパンは、フライパン状の円形または楕円形、角形などの厚い金属板(鉄またはアルミ製)上に平行した何条もの突起を付けたものです。熱したグリルパンに肉をのせて焼きます。

    フライパン焼きに比べて肉の縮み具合も少なく、表面がカサカサになりにくいです。

    オーブンとは?

    オーブンの場合は、条件に応じて扱い方を変えなければなりません。生の材料、すでに火を通したもの、材質の違いなどによってオーブンの温度の調節が必要です。また、オーブンの上段、下段では熱の伝わり方が違うため、上火を効かすか、下火を効かすかなど、各料理が求める温度によって判断します。
    オーブンの温度

    要求される温度 温度帯
    低温 120℃~150℃
    中温 150℃~170℃
    やや高温 170℃~200℃
    高温 200℃~230℃
    ごく高温 230℃~280℃

    当然のことながら、要求される温度はオーブンに材料をいれる前に必要な温度に上げておくことで、材料をいれてから温度の調節をするのではありません。

    ビーフステーキの焼き加減とは?

    フライパンによる肉の焼き方は炒め焼き法(ソーティング)によります。ビーフステーキに代表されます。

    下準備

    • ビーフステーキにはやわらかい部位を選びます(ヒレ、リブロース、サーロイン、らんいちが最適)。
    • 肉は筋を切って焼き反りを防ぎます(肉をたたく必要のある場合は、たたいた後に赤身と脂肪の間を筋切りする方が筋の面積が広がって切りやすい)。
    • 少し硬い肉(屠畜して日が浅く、熟成しきっていない肉)や輸入肉ならマリネします(風味が良くなり柔らかくなります)。
    • 肉をふる塩は焼く直前にし、塩加減は0,8%位にとどめます(先に塩をふるとうまみを含む肉汁が流れ出て不合理。また、肉自体に1%相当の塩分を含んでいるので、塩分は濃くしない方が良く、ソースや卓上塩もあるので、控えめが安全)。こしょうもひきながかける方がよいです。

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    焼き方とは?

    最初は、強火で約30秒焼肉の表面を固めて肉汁を逃さないようにします。

    よく慣れたフライパンに油を強火で熱し、煙が出始めるくらい熱くなったところに(油が波状に揺らぐ)盛りつけて表になる方から肉をいれます。高温に当たってたんぱく質が固まり、これがガードとなって中心から押し出されてくる肉汁の流出を防ぎます。

    ひと呼吸おいて(約30秒)肉に均等に熱を加え、焼き色をそろえるためフライパンは時々前後に揺すって肉を移動させます。

    厚い肉ほど強火の後の弱火は長くします。

    表面が強火でガードされたら、あとは火力を弱めます。そうしないと中心に熱が届かないうちに外側が焦げてしまうからです。焼いている途中、時々持ち上げてフライパンを傾け、底に油をまわします。これは、肉の重みで肉の下の油がはじけてなくなるためです。裏返して焼くときも同様です。

    肉は一度返しで焼き上げます

    一度返した肉を再び裏返すことは、折角、肉の表面にたまったうまみのある肉汁を失い乾燥状態となり、艶も悪くなります。その他、肉は焼いている途中で赤身の部分をフォークで押えたりすると、肉汁が外へ流れ出るのでしてはいけません。裏返すときも肉の端を持ち上げるようにしましょう。焼き油の分量は、脂身のある肉の場合は小さじ1程度です。ただし、フライパンの大きさや焼き時間に応じて加減します。

    ステーキ焼き加減まとめ

    レア ミディアム ウェルダン
    60℃前後 65℃~70℃前後 70℃~80℃

    まとめ

    今回は、焼き方について記載しましたが、焼き方の違いや肉芯温度によって、安い肉であっても高い肉であっても充分に肉そのものの味わいをいかせることができません。また、どうしも柔らかくするとき「たたく」という作業で、肉がつぶれて嫌な場合でしたら、「テンダーライザー」を使用すると良いでしょう。これは、肉の硬さを感じるのは、肉の繊維の集まりによって感じるのでこのテンダーライザーを使用することにより、繊維を切断してくれますので非常に重宝します。また、肉芯温度を上げやすくするために焼く前に必ず30分ほど冷蔵庫から出しおくことがポイントです。

    今回この調理において抑えておくべき点を紹介していきましたが是非参考にしてみてください。

    エムマートの評判とは?

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    エムマートを利用しているお客様は、エムマートを非常に信頼して購入している

    エムマートで国産牛肉を販売してから4ヶ月経ちましたが、当社から購入していただいたお客様は、思っていた以上の反響がありました。とにかく自社としてインターネットの販売を始めるにあたって非常に困難なものだと(たいして売れないだろう)、また、購入して頂ける方などいないだろうと感じていました。

    何故なら、商売上見えないところ、知らないところから仕入れをするというのは、ありえないとの固定観念があったからです。

    しかしながら、いざ初めていくうちに初月からの購入や問い合わせなど、また、眠っていたお客様からのお問い合わせが多数寄せられ、地元からの新規開拓も可能になりました。それだけエムマートとというサイトを信頼し、購入されている方が多く存在することがひしひしと感じます。

    さて、今回は、このエムマートについてどのようなものなのか、評判とは?について記載していきたいと思います。

    エムマートとは?

    エムマートは、BtoBという業者と業者を結びつける相互関係を繋げる役割を果たしているものになります。

    それぞれの地域でとれる特産品であったり、畜産物などの多種多様に販売しており、それを橋渡しをしているものになります。地域に販売しようとしていても販売先のメドが立たないもの、何か新しい商材を販売したい飲食店の方やより安いものを購入したい方などが利用方は様々おられます。

    また、購入者の不安を取り除き、信頼を繋げるために必ず出店社には、担当者がつきます。ちなみに私のところには、エムマートの会社が休みでない限り必ず毎日電話がかかってきます。その内容は、お客様にたいしてどのような対応していくのかからどのように販売していった方がよいのかなど様々な事ですが、その日々の積み重ねで出店社側からより良いサービスと品質を購入者側に繋げる事ができます。

    正直、私自身も出店した時は、ネット販売はあまり経験がありませんので、失敗だらけで非常に困惑したものが多数ありました。その度にエムマートの担当者に幾度となく電話したり、注意されたりと奔走しておりましたが、今では、多少なりとも結果を生んでいるのではないかと思います。

    ネットでの販売は難しいのか?

    私が出店しているのは、国産の牛肉やホルモンや串物の販売をしておりますので、ここの部分でしか判断はできませんが正直に答えますと、「売れる」というのは間違いではありません。品質と価格が適正であれば「売れる」のは確かです。ただし、「儲かる」とは別になります。出店したからといって儲かる事につながるとは言えませんが、必ず企業努力は、必要になります。また、エムマートで購入してくださるお客様は、必ずエムマートを信頼されて購入されていますので、新規出店をしていても検討し、必ず購入してくださることは間違いないのだと思います。

    私の方に多数お問い合わせがあるお客様は、必ずエムマートを信頼して購入しているとの声が多数ありましたし、毎日購入側の新規登録が多数おられます。その情報は、毎日出店側に伝わりますが、日々多くの買い手が集まっています。また、数多くの商品が集まっているのは間違いないと思います。

    エムマートでの購入時に抑えておくべきポイントとは?

    私は、お問い合わせをしていただけるよう促しています。
    初めてその会社から仕入れる際や、わかないことがあれば必ずお問い合わせをした方が良いです。牛肉においては特にわからないことを聞いた方が良いのは間違いありません。これは、購入側や出店側にとって大切な事ではありますが、扱っている商材が写真や文字だけで判断せず、どのような商材なのか必ず聞いた方が良いですし、出店側にとってもどのように対応していけば良いのか理解できるからです。

    ただ、中にはうまいのか?まずいのか?と聞かれる方もいましたので少々手間取った事もあります。

    牛肉でいえば、生き物ですから常に品質は安定しているわけではありません。しかし、使う側にとってどのような用途で提供するのかさえわかれば、それに対応できる提案をすることができます。また、どのように取り扱えばより良い形で提供できやすいのか?など必ずアドバイスを頂けます。出店社が自分でもよくわからない商品を扱っているわけでもありませんし、また、どのようにおいしく食べれるのかなどの商品の活かし方を知っている方もおられます。

    私も自身も屠畜して間もない商品に関しては、5日以降の熟成をかけて販売してみてはいかがでしょうか?などの声をかけたりもします。料理の用途や保管方法などの細かい事まで説明いたします。

    今までの固定観念でのやり方がそのとおりとは限りませんので、メールや電話などで聞いた方がよいのではないでしょうか。また、当社のお客様で、わざわざ自社まで来られた方います。お互いに知識を振り絞り、より良い提供していくのは重要な事だと私は思います。

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    まとめ

    業者とのより良い関係を創造していく上でエムマートは、信頼の高いものと私は感じます。ただし、デメリットをあげるとしたら業者間の相互のコミニケーション不足を感じることがあります。

    例えば牛肉おいてサーロインを購入する際には、ステーキができると感じてしまうようにこの部位には、必ずこの商品ができるとは限らないからです。また、硬いからといって煮込めば必ず柔らかくなると思いがちですが、そうとは限りません。知らなかったや気付かなかったなどでは後の祭りです。

    牛肉には、肉質を見極め、それにあった商品化が必要だからです。固定観念が裏目に出てしまうことがあるからです。ですから必ず相互のコミニケーションをきちんと取り合いより良い形でお客様に商品を提供することが大切です。

    私が技術を磨くために他県で修行をしていたころは、よくお師匠に言われていたことですが「お客様の口元へ運ぶところまでが私たちの仕事だ!」とありました。当たり前だと思われる事があるかと思いますが、私はこの言葉を今でも心に刻んでいます。

    多くの商品の中で購入を検討されている方は、必ず問合わせてみてはいかがでしょうか。


    硬いホルスタイン肉を柔らかくするための方法

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    硬いイメージが強いホルスを工夫すれば柔らかくなります

    日本人が牛肉を食する時、柔らかいから「美味しい!」、硬いから「不味い!とのそんな声を度々聞いたりします。和牛においては、肉用として飼育されるため柔らかく、また肉の味がしっかりとしているのは、当然のように思います。しかし、ホルスタインのように乳用として(牛乳をしぼるため)飼育されるため、「硬い」とのイメージができあがるのは、必然なことなのかもしれません。要は、飼育される目的が違うために捉えられしまう事で当たり前のようにも感じます。ちなみに交雑種は、和牛と乳用の掛け合わせです(すべてではありません)。

    しかし、和牛の生産頭数の減少などの様々な要因によって牛肉の価格が高騰し、以前、和牛を使用していたお店が交雑に変更せざるおえない状況になったり、交雑牛を使用していたお店がホルスタインに変更していたりするなど、牛肉の業界においては価格の高騰が大きな影響をもたらしています。また、輸入牛にも変更しているところもあります。

    このような中で、ホルスタインは乳用だから、硬いから食べられないなども一概には言えません。乳用にも独自の味わいがありますし、また、ひと工夫すれば必ず良いものになります。ただし、扱うにはそれなりの知識が必要ですが、今回はどうしたらホルスタインを柔らかくできるのか?という部分を中心に記載していきます。

    食肉類は生でも、加熱調理しても、一般的に魚肉に比べ肉質は硬いです。それは食肉の筋肉組織の構造の違いと、筋肉を構成するたんぱく質の組成の違いが関与していることは間違いありません。そこで、柔らかさを求めるなら、焼く、揚げるなどの肉料理では柔らかい部位を選ぶことです。時間をかけて煮込むなら、硬い部位の肉も結合組織に多いコラーゲンがゼラチン化するので、柔らかくなります。

    業務用の牛肉やスーパーで購入する前にをさえておくべき部位の特徴と料理用途

    また、食肉に欠かせない調味料は、味をつけるだけでなく、食味、特にテクスチャーを改変する効果があります。

    肉類は加熱をすれば、硬くなることは避けられないです。そこで、硬い肉を柔らかく食べる工夫として以下の方法をとりあげていきたいと思います。

    機械的な方法

    筋肉に対して直角に薄切りやひき肉にします。また、厚め肉を焼いたりする場合は結合組織を切断したり、肉叩きで叩き、筋肉を破砕し、収縮しにくくします。また、すじを切る作業においても柔らかくする方法としての大切な部分となります。

    例えば、ビーフステーキなどのように焼く調理では、叩いて薄くなったりした状態を元の形に戻して焼くことが大切で、ジューシーで柔らかい食感となります。要はカッティング方法や叩く道具を使用したり、テンダーライザー(すじを切る道具)などの技術と道具によって柔らかくします

    たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)の利用

    生姜、キウイフルーツ、パイン、アップルなどにはたんぱく質分解酵素のプロテアーゼが含まれますので、搾ったり、おろしたり、みじん切りなどにして肉にまぶし、肉類を軟化させます。

    生姜などの芳香で臭みをマスキングする作用もあります。また、酸性を示す果汁の添加は食肉のPHを低めることになるので、筋肉内プロテアーゼを活性化させます。酵素は筋原繊維たんぱく質を分解しますが、結合組織のコラーゲンには作用しないため、長時間作用することは却って食味低下をもたらします。生肉に作用させてこそ効能が発揮されますが、酵素の作用時間は十分に考慮すべきです。

    調味料による下処理

    食肉のPHは5.6~6.0付近であり、肉のたんぱく質の等電点であるので、このままで、加熱した場合、たんぱく質同士が結合して緻密な構造をとるため、肉が締まり、肉汁が流出しやすくなります。そこで、PHを酸性側に、あるいは、アルカリ側に調整するとジューシーになります。

    この原理を利用し、肉をワイン・マリネ液に漬けた後に加熱調理すると、肉が風味よく、柔らかく仕上がります。この下処理は筋肉内プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)の活性化作用も加わることになります。

    食塩の添加はNa+、Cl-に解離し、たんぱく質分子間の結合をゆるめ、間隙を作り、ジューシーさをもたらします。しかしながら、筋繊維が太く風味のある牛肉は、加熱直前に振り塩をすると食味がよくなります。味噌、醤油、清酒などの発酵調味料は、PH域がほぼ類似していますので、同様の効果が期待できます。

    韓国料理の焼肉には、醤油や酒と共に、砂糖がよく使われます。砂糖の添加で、たんぱく質と水素結合で結ばれ、たんぱく質分子の変性を抑制しますので、肉が柔らかく仕上がります。

    長時間の湿熱・加熱

    硬い部位の肉類は、通常、臭みを抜くためにさっと茹でた後、水煮あるいは調味料を加えた煮汁やソースで、長い時間煮込み、結合組織のコラーゲンをゼラチン化します。

    長時間煮込みのプロセスを省くためには、高温(110℃~127℃位)で短時間加熱の圧力鍋を使用する方法もあります、消化後も十分位沸騰が続きますが、加熱時間は約3分の1、燃費は更に少なく約4分の1になります。

    また、ある程度加熱した後、火から離し、保温効果の高い保温鍋の余熱効果で煮る方法もあります。煮崩れることが少なく、シンプルな味わいの仕上がりなります。当然のことながら、焦がすこともなく、省エネにもつながります。

    ただし、煮込む作業や圧力鍋を使用する場合にも適正な部位を(肉のきめがより締まる場合がある)選定して使うと良いでしょう。

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    熟成について

    ホルスタインを扱う事で大切なのは、熟成です。屠畜後の硬直状態のままでも食べることはできますが、肉は「熟成」という過程を経ることで柔らかくなり、より一層独自の風味が出てきます。

    動物の体内細胞に含まれる何種類かの酵素は、乳酸やリン酸を生成し、これらは微生物の発生を抑えつつ、死後も一定時間働き続けます。また、死滅した細胞(主としてたんぱく質の組成)やコラーゲンを膨潤させ、肉を柔らかくし同時に保水性を生じさせます。この一連の現象を「自家消化」と言います。

    冷蔵庫での牛肉保管の理想維持温度は、摂氏0~2℃位です。熟成期間としては、牛肉では5日以上10日位が適当です。保管中にもし冷凍状態になりますと、熟成作用は停止するか緩慢な状態になります。また、庫内が5℃以上になりますと、熟成が早く進みますが、同時に食肉そのものの変質が起こります。

    また、熟成には個体差にもかなり留意しなければなりません。すなわち、若齢で水分の多い牛肉は熟成期間が短く、脂肪のよくついた肥育の進んだものは長めとなります。ホルスタインを選ぶ時には必ず屠畜日を確認すると良いでしょう。また、屠畜日を確認する方法は、トレーサビリティでも良く知られる個体識別番号によって確認できますし、卸先に確認しても良いでしょう。

    個体識別番号検索

    まとめ

    今回は、ホルスタインを柔らかくする方法をご紹介してきましたが、「すじ切り」においては、肉の厚さにもよりますが5~6箇所、叩く場合は均一に繊維を壊し、フルーツを使用した場合は、缶詰などではなく生のものを使用し10分~30分ほど漬け込む方が良いでしょう。また、砂糖などはすり込むと肉の中のコラーゲンと水分が結びつきやすくなります。また、煮込み料理には、ビールやコーラ、酢を加えて(入れすぎない)も柔らかく仕上がります。

    また、熟成においては、目安の期間以上になってきますので変敗に注意する必要があります。ホルスタインであってもいくらでも活用方法がありますが、肉そのものを活かすには必ず知識が必要になってきますので取り扱いに留意しながら参考にしていただければと思います。

    抑えておきたい。ホルスタインサーロイン肉の見極め方

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    品種が異なると肉の見極め方が変わります

    牛は、世界的に見れば、たくさんの品種が存在しています。その土地の気候風土によく順応する在来種を主体に、それぞれの地域で改良が進められ今日に至っています。

    日本で生産される牛肉は、肉専用種の黒毛和牛を代表とする「和牛」と牛乳生産のため飼育されているホルスタイン種を代表とする「乳牛」に大別されます。これらの交雑(和牛と乳牛の掛け合わせ)が、相当生産されるようになりました。

    では、和牛と乳用牛との違いは、なんでしょうか?そこに肉の見極めにおいて重要な足掛かりがあります。今回は、その足掛かりによってホルスタインサーロイン肉にどのように影響し、どのように見極める必要があるのか検証していきます。

    和牛と乳用牛には、そもそも品種自体の違いから骨格、体格が違う、また、和牛は食べられる目的で飼養され、乳用牛は「牛乳」を生産するために飼養されているため、肉のきめ、しまり、色、脂肪、脂肪の色、味わい、それぞれの部位の大きさに違いがでます。これらの違いによって肉の見方が変わり、料理用途が変わってきます。この品種と飼養目的の違いによって、どのように肉質が変化するのかを抑えていくことに今回の主題が見えてくるようになります。

    和牛とホルスタインの品種の特徴

    和牛とホルスタインは、品種の違いによって骨格や体格、飼養目的が違うため肉そのものに大きな影響をもたらしています。例えば、和牛の体格は足が短く、体長が短い。また、ホルスタインの体長は長く、足が長い。また、ホルスタインと和牛の与えられる飼料(飼養目的の違いから)が違うため、肉、脂肪の色合が変わります。ちなみに和牛の肉の色は、鮮紅色(牛肉の発色後)で、脂肪の色は乳白色です。ホルスタインの肉の色は白っぽい紅色(屠畜間もない場合は、濃厚な赤色になります)になり、脂肪の色は黄色になります。(飼育の仕方で白色のものもあります)

    ホルスタインの肉色には、ビタミンの欠乏によって肉色に影響し、牧草を中心に食していることから脂肪の色合いに影響しています。

    和牛の発色前の色合い
    和牛の発色前の色合い

    和牛の発色後の色合い
    和牛の発色後の色合い

    ホルスの発色前の色合い
    ホルスの発色前の色合い

    ホルスの発色後の色合い
    ホルスの発色後の色合い

    和牛の特徴

    和牛の代表格の「黒毛和種」は、和牛全体の90%以上を占めています。松坂牛、近江牛のように古来銘柄牛肉として名高いものは、全てが黒毛和種です。良く飼育されたもののリブロースの断面をみますと、鹿子模様の見事な脂肪交雑が入り、霜降り状態となっています肉質は、きめが細かく柔らかく、風味とも絶品と言えます。世界的に見ても、まさに牛肉の王者であり、日本が誇る農産物の特産品です。

    和牛
    和牛

    乳用牛の特徴

    乳用牛の品種は、ほとんど白と黒の斑な毛色のホルスタイン種で占められています。肉用としても、欧州では高い品質評価を得ていて、むしろ欧州では乳用兼用種として位置づけられています。ホルスタイン種の品種特性として、青草などカロチン色素の多い飼料を給飼していも、若齢期間中(生後18ヵ月まで)は脂肪の色が黄色にならず白色を保つ特色があると言われています。
    ホルスタイン

    また、赤身の産肉量の多いヘルシーミートとしておススメできます。ただ高級部位と言われるロイン系の肉量の取得率が、和牛と比べると低いという欠点があります。これは、体長が和牛と比べ長いため、ロイン系自体が薄いものになってしまいます。要は、サーロインなどの盤面が小さいことになります。

    牛肉の見極め方

    ホルスタインの牛肉を選ぶ上で見極め方があります。牛肉の色、脂肪の色及び質、きめ、しまりなどですが、これらによってホルスタインのサーロインを選ぶ上で決定づける要素となりますので、抑えておきたい事になります。また、調理したい、提供したい用途など(例えばステーキなど)によってそれぞれの部位の重量を目安とするのも重要になってきます。

    ホルスタインの体格や骨格によって、和牛のサーロインとホルスタインのサーロインの厚さが違うことや重量が小さいほど肉質が劣ったりして、加工用として扱われますので、留意しておくのも大切です。

    牛肉の色

    牛肉の色は鮮紅色が標準的な色ですが、良いものは艶があります。これらから述べる条件によっても多少の色の変化が見られます。

    年齢、性別、品種別

    若齢のものは淡い紅色で、老齢のものは筋肉色素の沈着が進み濃い赤身を帯びています。子牛に肉は、極めて淡いピンク色をしています。むしろ白色に近い肉色のものが良質とされています。

    若齢飼育の乳用牛は、和牛に比べやや淡い肉色です。また、同じ月齢のものの比較は、雌牛は去勢よりやや濃い肉色をしています。

    部位別による色の差

    よく運動する部位のネック、すね、かた、ばら、そとももなどは、肉のきめが粗く、総体的に濃い肉色をしています。

    体調によるもの

    と畜までの牛の管理状態で、微妙な肉色の変化が見られます。長時間のトラック輸送、多頭数を係留して起こるストレスなどはと畜後の肉色の赤みを強くし、精肉処理の段階でも良い発色作用が起きません。また、持続性がなく、早い時間で暗赤色へと変化します。

    脂肪の色及び質

    脂肪の色や質は、飼料に影響されるところが大きく、穀物のうち大麦、燕麦などは良い脂肪を作るものとして知られています。また、カロチン(黄色色素)が多く含まれる緑草、とうもろこしなどを多給しますと、脂肪にカロチンが沈着し、黄色から褐色の脂肪となり、脂肪の質は粘り気のないものとなります。更に老齢のものも各種の色素沈着が進み、このような色合いになるものが多くあります。

    栄養学的には、いずれの色も問題ありませんが、飼料に起因する香りが移る場合があります。調理の過程で香草野菜や香辛料で調整する方が良いでしょう。牛肉の脂肪は、融点が高いので、牛肉料理は熱いうちに提供するのが一般的ですが、冷やして食べる料理は、脂肪をなるべく除去して調理するのが良い方法です。

    きめ、しまり

    肉のきめは、細かいとか粗いという表現になりますが、これは肉の良し悪しを判定するものとは意味が違います。

    肉のきめが細かい部位は、運動をあまりしないところで肉質は柔らかいのが特徴です。牛肉の部位を表す分体図を見ますと、おおかた背中にある部分のかたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ランプなどがそれに相当し、いわゆる高級部位と呼ばれ、評価も高いところにランクされています。一方、よく運動する部位のネック、かた、すね、ばら、そとももなどは、肉のきめは粗く肉質は硬い部分です。

    柔らかい部位は、確かに高い評価になっていますが、これを以て良い肉と連想するのは誤りです。肉の良し悪しは、その料理に向く最適な部位かどうかが一番肝要なことで、煮込みなどに適した部位は相対的にきめの粗い硬いところの方がベターです。すなわち、エキス分、ゼラチン質などが多く含まれていて、煮込み料理に欠かせないうまみの決めてになる成分が豊富に含まれているからです。

    また、しまりは、部分肉から細かく精肉に処理した段階でよくわかります。しまりの良い肉とは、形が崩れることなく当初の姿をきちんと保っている肉質のことです。これは、十分肥育したものほど良い状態となりますが、若齢の水っぽい肉は、しまりが悪く肉質の劣るものとなります。

    まとめ

    今回は、ホルスタインのサーロイン肉についての選び方について細かく記載していきました。また、最も大切なのは、どのように肉を生かしていくのかがポイントです。それぞの部位の特徴を見定めどのような料理に向いているかなどです。ただし、上記にも記載したとおり、肉色、脂肪の色及び質、きめ、しまりからの基本的な事から逸脱しているものは、あまり良くない肉として抑えておくべきところではないでしょうか。

    ホルスタインサーロイン肉は本当に硬いのか?

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    肉専用種より硬いと感じますが、牛を知る事が大切なポイント!

    ホルスタインは、「硬い」とのイメージがつよいとありますが、肉用種と比べ劣るのは「硬さ」に対して確かな部分があります。しかし、日本の歴史からの観点からみると「薬膳」として扱われてきた食肉文化において、牛肉は「生かし方」によっては、それらを改善し明日への活力としてきました。

    例えば、発酵調味料である味噌を肉に漬けて保存性を保ち、また、柔らかくし時の権力者に対して献上してきました。

    日本国内の生産されるホルスタインは、ヘルシーな赤身肉であり、和牛より安く手に入ることができますが、安い上で「硬い」、「不味い」とのイメージがあります。
    今回は、そのホルスタインが何故硬いのか?どのようにしたら硬さを払拭させ、美味さを引き出せることができるのか?などを牛の生産におけるライフサイクルから解き明かし「生かし方」の一例を記載していきます。

    肉専用種(和牛など)のライフサイクル

    生まれた子牛は5~7ヶ月間、母牛に育てられますが、後半の2~3ヶ月間は草や配合飼料(アメリカなどから輸入できるとうもろこし、こうりゃん、大豆などを原料に配合した飼料)、穀類なども与えられます。また、雄牛は生後2~3ヶ月齢時に去勢します。これは、肉質を良くし、太りやすくし、性質をおとなしくして飼いやすくするためです。

    こうして大きくなった子牛は、5~6ヶ月齢時に離乳し、雌牛は育成後、一部は肥育に仕向けますが、主に繁殖に用いれられ、雄牛(去勢牛)は肥育に仕向けられます。

    肥育仕向けとなった去勢牛(生後10ヶ月齢・体重約290kg)は、約20ヶ月かけて肥育され、約690kgに仕上げられます。この間、配合飼料や大麦、草、稲わらなどが与えられますが、大まかにいって10~11kg程度の穀物類の餌を与えることにより、体重が1kg増える計算になります。この他、肉専用種の雌牛で繁殖の役目が終わったものは(平均9歳)そのまま屠畜されるほか、1~3ヶ月間「飼い直し」と言って、配合飼料や穀物を用いた短期間の肥育を行い肉質を良くして出荷されるものがあります。

    乳用牛(ホルスタインなど)のライフサイクル

    日本で飼われている乳用牛の大部分がホルスタイン種ですが、乳用牛の場合、その飼養目的が牛乳を生産することにあたるため、牛乳のでない雄牛は優秀な種雄牛になるもの以外は食肉用として肥育に向けられます。ホルスタイン種の雄子牛は、生まれると約一週間、母乳で育てられます。これは、分娩直後の牛乳(初乳)に色々な免疫物質が含まれているためで、子牛を丈夫に育てる上で初乳を飲ませることが必要不可欠です。その後、母牛は搾乳に用いれられますので、子牛は母牛から離され、脱脂粉乳などを原料とする人工乳、乾草、配合飼料などにより人工哺育され、肥育素牛として、7ヶ月齢、体重270kgに育成されます。それらの素牛が一年余りかかって肥育され約670kgに仕上げられます。その間、与えられる餌は肉専用種の場合とほぼ同様です。

    ただ、ホルスタイン種は大型品種であり、一日当たりの増体能力が優れていることから、肥育期間は肉専用種よりも短くて済みます。また、脂肪交雑が少ないなど、肉質では肉専用種に劣ります。牛は、草食動物なので、人間が消化吸収できない草などの繊維質を牛乳や肉に作り替えることが出来るという特性をもっています。従って、放牧状態でも牧草が豊富であれば自然に太るのですが、肥育の後半はもっぱら配合飼料中心にかなりの量の穀物を与えて肥育しています

    食肉の熟成について

    屠畜直後の硬直状態のままでも食べることは出来ますが、肉は「熟成」という過程を経ることで柔らかくなり、より一層独自の風味がでてきます。

    動物の体内細胞に含まれる何種類かの酵素は、乳酸やリン酸を生成し、これらは微生物の発生を抑えつつ、死後も一定時間働き続けます。また、死滅した細胞(主としてタンパク質の組成)やコラーゲンを膨潤させ、肉を柔らかくし同時に保水性を生じさせます。この一連の現象を「自家消化」と言います。

    冷蔵庫での牛肉の保管の理想的な維持温度は、摂氏0℃~2℃くらいです。熟成期間としては、牛肉では5日以上10日位が適当となります。保管中にもし、冷凍状態になりますと、熟成作用は停止するか緩慢な状態になります。また、庫内温度が5℃以上になりますと、熟成は早く進みますが、同時に食肉そのものの変敗が起こります。

    熟成においては、温度管理などが重要となってきますが、肉本来の味を引き出すためには必要不可欠となってきます。また、熟成期間の始まりを知るには屠畜日を参考にしておくと良いでしょう。

    牛10

    まとめ

    牛肉には、肉専用種と乳用種との大別がなされます。これには、それぞれ生産される目的の違いがありますが、肥育に際して違いがあるものの肉用としての最後があります。要は、人が食しても可能な状態まで育てられる事になります。また、肉の生かした方においては、「熟成」というものがあります。

    これらにおいて、ホルスタインにおいては「硬い」や「不味い」とのイメージが定着されているものがありますが、やはり生かした方、取扱い方によってこのようなイメージが定着されているものだと思います。肉専用と乳用との違いはありますが、それぞれの特性を知り、どのように生かしていけば良いのかなど参考になればと思います。

    飲食店やホテルがホルスタインサーロインを使うときの注意点

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    ホルスタインのサーロインには、和牛とは違い取り扱いに留意しておかなければならない点がある。

    和牛(肉専用)とは違いホルスタイン(乳用種)は、違うものになります。これらには何に影響しいるのか?また、肉質に対してどのように影響してしまうのか?また、冷凍や冷蔵(チルドとフローズン)においての取り扱い、熟成が必要なのか?など、これらによってサーロインにどのように影響をおよぼしていくのかを記載していきます。

    ホルスタインの魅力といえば、赤身肉であることから脂が少ないためヘルシーなイメージやなんといっても和牛などに比べ安い肉としても非常に重宝するものです。価格帯は、国産でもあるにもかかわらず輸入牛とあまり値段が変わらず、和牛の価格の3分の1で購入できる場合があります。

    市場動向においてはエムマート

    また、デメリットとしては、「硬い」、「肉の味が薄い」、これまで和牛や交雑牛ばかり使われた方にとっては、あまりの肉の色の濃さや肉厚の薄さで疑問点が残るのではないでしょうか。

    ホルスタインサーロイン肉は本当に硬いのか?

    但し、うまく工夫していくことにより、このデメリットは改善することも可能です。牛肉本来の取り扱いさえ間違いなければ非常に大きな利益を生む効果があるのがこのホルスタインです。2016年の現在において、牛肉の価格が高騰する中で、全国で有名な弁当を取り扱うお店や焼肉店でもこのホルスタインの活用が著しく多くなりました。安心できる国産を求め安価なものを選ぶ時にたどり着くのがホルスタインとなっています。

    ホルスタインのサーロインは、和牛とどのように品質の違いがあるのか

    全国で90%以上使われている和牛と言えば「黒毛和種」になります。品質、味において世界で知られているほど有名な肉専用になります。昔からの在来種に改良が加えられた牛は、体格が短く、足が短い、地域によってはお尻が張っているものや、肩や腕が大きいものがあります。雄になると体重も一トンを超えるものがあり、あまりの大きさにスライサーに入らないものがあったりもします。ここ10年(2015年から)くらいの生産の傾向において生産頭数の減少から1頭の体重を増やす傾向があり、ステーキに使われるような部位においては、肉の盤面が大きくなっています。

    しかし、ホルスタインにおいては、乳用種のため1頭において牛乳の搾れる量を増やす傾向にあり、体格が和牛と比べ長く、足が長いものになります。また、与えられる飼料が違うため、それが肉質にも影響されます。放牧して運動もしますので、肉質が硬くなります。ビタミンの欠乏により肉色にも影響することから和牛と比べ肉色が違います。

    この和牛とホルスタインの飼育段階の違いや品種の違いで硬さ、肉色、艶に違いがあり、体格(体長)が違うためサーロインの厚さが和牛と比べ非常に薄くなる傾向になり、サーロインステーキなどの盤面が違います。

    ホルスタインのサーロイン
    ホルスタインのサーロイン
    和牛サーロイン
    和牛サーロイン(右側)

    ですから、ホルスタインを取り扱う時には、部位の用途は異なってきます。例えばこれまでサーロインをステーキとして扱ってきたお店において、ホルスタインのサーロインを扱う時は、ミニステーキやサイコロステーキとして扱う必要になります。サーロインをステーキとして提供したい場合は、部位の重量が4kg以上でないと難しいものになります。
    2kg台になるとロールステーキやサイコロステーキに使うと良いでしょう。

    要は、1部位において着目していかなければならないのは、重量となってきます。

    「硬い」、「味」においてどのようにすれば改善できるのか?

    ホルスタインは、牛乳がとれなくなると和牛のように穀物飼育したりするなど、急激に太らして飼育されるところが多くなりました。牛や豚などの取引基準が重量になってくるからです。(キロいくらとなる)これらによってホルスタインも脂肪交雑が入ったり、脂がのっていたりします。食肉の格付けにおいてもC1やC2などもつけられるようになってきています。

    ただ、飼養目的に違いがあるため和牛に劣るものの味わいなどが出るようになってきています。また、ウデ(かた)部位が、ダシにおいてよく味がでるといって、肉うどん、肉そばにもよく使われるようにもなりましたし、中にはウデの前腕骨を使ってラーメンのダシにも使われるようにもなりました。

    また、より手軽に味わいを引き出したいとの事から「熟成」するところも増えました。熟成期間においては、屠畜日から5日ほどの目安で味が出やすいとの声もあります。ちょっとした工夫ですが、飼育方法の変化や取り扱いによって「硬さ」や「味わい」が変わるようにもなってきています。

    これまでの常識だけでなく、牛肉について学ぶ必要になってきた近年ですが、取り扱いさえ正しく行えば良い肉とは言えるのではないでしょうか。

    冷凍と冷蔵においても解凍方法を抑えておくべき

    牛肉において最もよく間違いがおきるのは解凍方法です。牛肉を焼く、調理する場合において最大にカギになるのが「肉芯温度」です。焼き方においては、レアなどの決める基準においても肉芯温度が関わりますが、解凍においてもいかに品質を保持していくかにも「肉芯温度」が関わってきます。

    解凍方法においては、瞬間解凍と緩慢解凍の2種類があります。この瞬間解凍がもっともドリップがでにくく、品質が維持しやすいとの傾向があるようですが、これにおいては、高価な解凍用の機械が必要になってきます。

    一般的な解凍方法においては、緩慢解凍になってきますが、この緩慢解凍の方法によって、もともとあった牛肉の水分をうまく閉じ込める方法が、冷蔵庫内の温度でゆっくりもどすことです。冷水や常温(外に出すと)で解凍すると急激に温度を戻すとドリップの流出がいちじるしくひどいものとなります。また、冷凍期間中は、熟成が止まっていますので冷蔵庫内でゆっくり解凍すると熟成も始まってきます。

    業務用の牛肉での冷凍の取り扱いと解凍方法について

    チルドにおいても同様ですが、冷蔵庫内で保管し、調理する30分前にだしておき肉芯温度をゆっくり引き上げると良いでしょう。

    まとめ

    ホルスタインサーロインを使用するうえで留意すべき点は、和牛と比べ飼養方法や品種の違いから肉色、肉質、艶が違い、品種の違いから体格が違うため、和牛のサーロインと比べ盤面が薄くなる傾向があります。これらによって部位の調理用途も異なることがあり、硬さや味に関しては、熟成などの工夫が必要です。

    エムマート(畜産市場)の背筋引きのサーロインの活用方法とは?

    また、冷凍などを扱う際には、肉芯温度の関係からドリップ流出を防ぐため解凍方法には注意が必要であることです。また、ドリップには、肉の旨味成分などが含みますのでなるべくドリップを出さないことが必要不可欠となってきます。

    ホルスタインサーロイン肉の特徴と相場について

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    近年の牛価格高騰からホルスタインサーロインが注目されつつあります

    牛の価格高騰の要因において様々な意見が述べられています。その要因としては、生産頭数の減少や飼料の高騰などあげられていますが、その根拠においては

    平成28年7月成牛と畜頭数は、90.1千頭(前年比91.8%)となり、16ヶ月連続で前年割れとなった。内訳を見ますと、和牛が40.4千頭(前年比90.0%)、交雑牛18.8千頭(同100.6%)、乳牛去勢16.5千頭(同93.4%)であった。出荷頭数減少傾向が継続していることが伺えます。

    平成28年8月の成牛と畜頭数は、速報値(8/31まで集計)で81.2千頭(前年比96.8%)と減少している。(独)農畜産業振興機構が8月25日に公表した牛肉の需給予測によると、出荷頭数は、交雑種は酪農家における乳用牛への黒毛交配率の上昇により、増加に転じると見込まれるものの、和牛および乳用種は減少が継続すると見込まれる。全体では、と畜場稼働日数が8月、9月ともに前年同月を上回ると見込まれ、8月の出荷頭数は前年同月を僅かに上回る一方で、9月の出荷頭数は前年同月を僅かに下回ると予測しています。

    とあります。ただ、今後においても不安定な価格が続くような状況になりそうです。
    また、高騰が続いていながらも食肉の需要においては、家計においては

    総務省発表の平成28年7月度家計調査報告による、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は511g(前年比108.7%)、支出金額が1,736円(同105.7%)と購入量、金額ともに伸びました。

    外食においては

    日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査7月度結果報告によると、前年に比べて土日が2日多い曜日まわりで、外食需要を概ね2~3%押し上げた。ファーストフードでは、前年減の反動で数字的に好調の洋風がけん引し前年比9.8%増、ファミリーレストランも同3.8%増となり、外食全体では同5.9%増加した。焼肉は夏休み需要を取り込み前年比8.1%増と引き続き好調であったとしている。

    となっています。また、全国の在庫数をみますと

    (独)農畜産業振興機構公表の平成28年6月末の推定期末在庫量は、112.7千トン(前年比84.9%、前月比102.6%)と、46月連続で前年を下回る数量になったが前月比では増加した。内訳は、輸入品在庫が112.4千トン(前年比83.6%、前月比102.9%)、国産品在庫が10.3千トン(同103.7%、同98.5%)であった。推定期末在庫のうち、国産品は平成27年12月以降7ヶ月連続で前年を上回る水準が継続している。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は7月は126.8千トン(前年比87.8%)、8月は125.3千トン(同 88.3%)、9月は120.9千トン(同84.5%)と前年比では7月から9月にかけて前年を大幅に下回ると予測している。

    市況においては

    平成28年8月の東京市場枝肉卸売価格(速報値8/31時点)は、和牛去勢A5が2,800円(前年比113.0%)、和牛去勢A4が2,534円(同110.0%)、和牛去勢A3が2,375円(同110.1%)、交雑牛B3が1,690円(同102.0%)と、和牛は引き続き前年を10%以上も大きく回った。

    (独)農畜産業振興機構が8月25日公表した9月の国内出荷予測頭数は、和牛が36.1千頭(前年比97.3%)、交雑牛が18.7千頭(同107.2%)、乳牛(雌含む)が30.9千頭(同96.2%)であり、全体では87.1千頭(同98.8%)としている。と畜場稼働日が前年より1日多いため、1日当たり出荷頭数ベースで比較すると前年比95.1%としている。季節の変わり目やシルバーウイーク需要に期待したいが、高値により市中は需要が低迷しており、9月一杯は引き続き軟調もしくは弱もちあいが想定されます。

    とあります。

    以上の事から、消費が伸びつつも価格の不安定な状況が続く予想もされます。特に和牛や乳用においては顕著にみられるのではないかと思います。

    ホルスタインサーロイン肉の特徴

    ホルスタインサーロイン肉は、飼養目的や(肉専用か乳用)品種の違いによって体格が違います。サーロインのみで見てみますと、肉全体が薄くなっており盤面が小さめとなります。しかしながら、犬猿されがちな脂のサシ(脂肪交雑)がなく、赤身肉の代表として見られるようになっています。

    しっかりと動物性たんぱく質をとって健康を維持したいなどの声においては対応できるものとなっています。また、ミンチとしてよく使われることが多かったホルスは、飼養方法に変化があってから味わいがでるようになり、価格帯が和牛よりも半値ほどで購入できることもあって注目されつつあります。

    まとめ

    ホルスタインサーロイン肉には、和牛とは違い飼養目的や品種の違いから肉質、色などが違います。また、需要が不安定であるがゆえに価格帯が上昇傾向になっています。
    和牛や交雑の価格が高騰する中で、ホルスに変更する業態も増えてきています。また、様々な問題をかかえつつある情勢に注視していく必要があるのではないかと思います。

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