人間の食文化の歴史をたどっていくと必ずといってお肉を食べることが密接になっています。
仏教の伝来からの時期から肉を食べることを禁じられ、海に囲まれたことによってお肉を食べることが定着しなかった日本において、近代化が進むにつれ寿命が延びてきました。
それは何故でしょうか?食が豊富になったから?恵まれているから?
現代になってようやく寿命、そして健康そのものが科学の発展とともに食と関わり合いがあるとわかってきています。
「いつまでも健康でいたい!」「いつまでも元気でいたい!」誰しもが年齢を重ねていけばいくほど考えるものではないでしょうか?
そんな願いをかなえてくれるものがお肉になります。「ヘルシーフードの代表!」といっても過言ではありません。では、なぜお肉がヘルシーフードの代表と言えるのか?すこし探っていこうと思います。
この記事にはこんなことがわかるようになります。
牛肉の栄養には人間にとって必要不可欠な要素たくさんあります。少し長くなりますが、自分の体のためだから・・・と思ってご覧いただけたらと思います。
あなたがなぜタンパク質を食べなければいけないのか?
すべての生物は細胞が集まって出来ています。人間の体は、約60兆個の細胞から構成されています。その細胞を構成する成分のうち、全体の約70%を占める水をのぞくと、最も多いのがたんぱく質で約15%。これに糖質、脂質、核酸が続きます。
単細胞生物である大腸菌を構成しているたんぱく質の種類はおよそ3千と言われ、生命体の構造が複雑になるほど、構成するたんぱく質の種類は10万種くらいあるとされています。
体の中のタンパク質は分解と合成を繰り返し、新しい細胞が古い細胞と入れかわります。例えば、赤血球は120日で、筋肉のタンパク質は180日でその半分が入れかわります。
これを半減期といいます。
この入れかわりの過程で、ある一定量の目減りはさけられません。大人の場合、1日に200~300gのタンパク質が体の中で分解されていて、そのうちの約70gが目減りしていると考えられています。
この目減り分の約70gが1日の必要量ということになり、食物として摂らなければならない量なのです。
このタンパク質は、私たちの体の中で様々な役割を演じています。その主な働きを挙げてみましょう。
血液を介して酸素を運ぶリボタンパク質に代表される運搬たんぱく質、体内で化学反応の触媒を役目をする酸素、体を動かす筋肉のたんぱく質「アクチン」や「ミオシン」、生体を守る抗体、生体のホメオスタシスを維持するホルモン、骨組みを作る繊維状たんぱく質、コラーゲンなどがあります。
たんぱく質は、このように体の中で多彩な働きをしています。たんぱく質の英語プロテイン(Protein)はギリシャ語の「第1人者」に由来していて、生命現象の第1人者という意味がこめられています。
動物性たんぱく質がすぐれているわけとは?アミノ酸?たんぱく質?
たんぱく質は特殊なものを除き約20種類のアミノ酸の結合からできています。人間の体内において合成できるものとできないものがあり、人間の場合は9種類のアミノ酸が合成できません。
この9種類を必須アミノ酸といいます。体内で合成できないアミノ酸は食物から摂取する必要があります。
9種類にはバリン、ロイシン、イソロイシンは、筋肉を作り肝機能を強化します。リジンは、成長促進、肝機能の強化、抗体、ホルモン、ブドウ糖代謝の促進の効果があります。
トリプトファンは、神経伝達物質を構成し、成長ホルモンの分泌。スレオニンは、成長促進、肝脂肪の抑制。メチオニンは、コレステロール値の下降、活性酸素の除去。フェニルアラニンは、神経伝達物質を構成。ヒスチジンは、成長促進、特に幼児には必要です。
必須アミノ酸を多く、しかもバランス良く含んだ食品を摂ることが健康を支える上で大切なことになります。
お肉はアミノ酸スコアが100点満点!
アミノ酸スコアとはたんぱく質の栄養価を評価するもので、必須アミノ酸9種類がバランスよく、一定の基準値以上にふくまれていると100点満点になります。ちなみに牛肉、豚肉、鶏肉は100点満点です。
このことが、日本人の体格や長寿にかかわっていたと考えられます。お肉のたんぱく質は、アミノ酸が100点満点だけでなくほかの食品に不足がちなリジン、メチオニンを多く含んでいて、ほかの食品の不足分を補うものとして優れたものです。お肉が良質なたんぱく質と言われる理由はここにあります。
鉄とタンパク質
体内の隅々まで酸素を運ぶ血色素・ヘモグロビンは、鉄を含んだたんぱく質です。ヘモグロビンは骨髄の貯蔵鉄を利用して作られますが、鉄は体内でつくることができません。ですから食物として常に供給しなければなりません。
食物にふくまれるヘム鉄は、野菜などにふくまれている非ヘム鉄に比較して腸管での吸収率がよく(吸収率はヘム鉄の約25%に対し、非ヘム鉄は約50%)、さらにヘム鉄の吸収を促進されることがわかっています。ですので野菜とお肉を一緒に食べることは鉄を摂取すること重要なポイントになります。
タウリンとお肉
ドリンクのタイトルにもなっている「タウリン」の働きはストレスに対して感受性の強い人は、交感神経の刺激によって分泌されるホルモンが多く、これが動脈硬化を促進し、心筋梗塞を抑制し、血圧の上昇や心拍数の急激な増加をおさえることが明かされています。
お肉だけでなく、ホルモン(タン)に多く豊富にふくまれています。
うつ対策にお肉?幸せをもたらす食べ物がお肉!
精神に影響を与える物質として注目されているセロトニンがあります。セロトニンは、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが代謝されてできる物質です。血小板にふくまれ、従来から血栓を誘発する物質としてしられていました。
脳内にセロトニンが増えると精神を活性化させ、充実感や幸福感が得られることがわかっています。逆にうつ病の患者では、セロトニンが不足していることもあきらかにになっています。セロトニンは、人間の感情を支配している重要な神経伝達物質であることがわかったのです。
神経伝達物質は、脳内で生成されるものが多いのですが、セロトニンは生成することができず食事として摂ったトリプトファンを多く含んでいて、ここにまた一つお肉を食べる意味があるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、お肉のたんぱく質の重要性において記載していきました。
お肉を食べることによって健康がえられ、充実感や幸福感がうまれる優れた食物だということがわかったのではないでしょうか。何故人間にとって必要なのか本当の意味でご理解いただけるとありがたいです。