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Channel: 創業100年牛肉博士
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ホルスタインって国産?味やどういった牛なのか解説します!

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この記事をご覧いただきありがとうございます。

突然ですが、ホルスタインってご存知でしょうか?

誰でも知っているあのパンダのような白と黒の模様の牛です。

ホルスタインって牛乳をしぼるためにあって、食卓に並ぶことがあるの?

スーパーで売っているの?輸入?美味しいの?
なんて思ったことありませんか?

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実は、ホルスタインは私たちの身近に存在します。

ホルスタインは、牛乳をしぼるためだけではなく、国産という表示で様々なところで販売されています。「安い肉!」とあるように私たちの財布にやさしいお肉なんです!

この記事については

  • 国産と和牛の違いからホルスタインがどういった牛なのか?
  • 身近といえどホルスタインとはどこで販売され、和牛と比べおいしいのか?安いもの?
  • 牛の値段が高い理由
  • について記載されています。

    国産と和牛、輸入の違いとは?ホルスタインはなぜ国産として販売されているのか?

    国産と和牛の違いについては、法律によって区別されています。これは、和牛の表示に関わることですが、きちんとした明確な根拠があります。

    農水省の「和牛等特色のある食肉の表示に関するガイドライン」において、①黒毛和種②褐毛和種③日本短角種④無角和種と⑤①から④の交配した交雑種⑥①から⑤の交配した交雑種で以下の書類による証明があること。

  • 子牛登記証明書
  • 登録証明書
  • 血統を証明する書類
  • 受精証明書
  • 種付証明書
  • 体内・体外受精卵移植証明書
  • また、牛トレサビリティ制度(履歴)により日本で出生したことと国内で飼養された牛であることが確認できるものが「和牛」として表示もしくは言えることになります。

    では、国産といえるものはなんでしょうか?という話になりますが、法律では、飼養期間が最も長い場所(国)が国産ということになります。

    例えばアメリカで8ヵ月育ち、カナダでも8ヵ月育て、日本では9ヵ月育てた場合は、日本の飼養期間が長いため国産として表示もしくは言ってよいことになります。

    また、国産と輸入の違いについては、飼養期間がアメリカなどの海外の飼養期間が長い場合になります。ただ、流通においては部分肉として日本に運ばれています。しかし、輸入品目の不明瞭な部分がありますので留意しておいたほうがよいかもしれません。

    輸入牛肉の手続き停止(経済新聞)

    ただし、今の日本の牛の生産からみますと、国産と言えるものはほとんどが国内で出生したものが多く、わざわざ海外で牛を購入し、輸送して日本で育てるような方は、多くのお金がかかりすぎるため、ほぼいないといってよいでしょう。

    また、生きたまま動物の輸入に関しての原則がきびしいため難しいかと思います。

    動物の輸入届出制度

    それでも心配な方は、日本にはトレーサビリティ制度というものがあり、表示ラベルにある10桁の数字から牛の履歴が調べることができます。

    牛の個体識別検索(家畜改良センター)

    国産、和牛、輸入の違いについてご理解いただけましたでしょうか。

    ホルスタインの原産国は、オランダの北オランダ州および、フリースランド州、ドイツのホルスタイン地方になります。現在飼養されている乳牛の大半がホルスタイン種で占めていますが、原産国は日本ではありませんが性質がおとなしく、環境適応性が高いことから日本で最も育てられている品種になります。

    ホルスタインはどのようなところで販売されているのか?

    ホルスタインは、国産という表示において販売されているため、わかりづらいものではないかと思います。

    国産という表示で販売されているものは主に2種類あります。

    ホルスタインと交雑種になりますが、交雑種はF1(エフワン)とよばれていて、主にホルスタインの雄と和牛の掛け合わせとなっています。一般的には「雑種」と言うほうがわかりやすいかもしれません。

    この2種類が現在の市場に出回っている国産となります。ですから、スーパーなどで国産といっているものはどちらかの牛が販売されていると思っていただければよいのですが、肉質から言えば交雑種の方が優れているので、交雑種の方が多いといってもよいと思います。

    牛肉は何故高いのか?ホルスタインはおいしい?どのようにして売られているのか?

    ホルスタインを育てる目的は「乳をしぼる」ためにあるため、その肉質は和牛と比べ劣るものの味があっさりしていて、脂が少ないため非常に赤身が際立っています。おいしさでいえば賛否がはっきりしていますが、健康的にたくさんの量を食べたい方には向いているものだと思います。

    主に加工目的で使われていることが多いことから、例えば、ミンチ(ハンバーグの材料)、柔らかい部位になると「コマ切れ」「薄切り肉」として販売されています。

    牛肉を安く食べたいなんて思うことがあるかもしれませんが、ホルスタインの場合は牛肉の中でも非常に安いものとして流通しており「特売用」としても使われていることがあります。「安いステーキで国産!」なんてものはホルスタインが丁度よいかもしれません。

    しかし、なぜ牛と豚、鶏には値段の違いがでるのでしょうか?なぜホルスタインは安いのか?その秘密は、牛、豚、鶏の生産量と飼養期間や飼養にかかる手間によって違いがあります。

    牛の生産者は、繁殖するところと肥育するところと大きく2箇所になります。(全てではありません)
    牛が生まれると子牛のセリにかけられ繁殖農家のもとで素牛として約8~9ヵ月間育てられます。そのあと肥育農家に買い取られ29ヶ月から30ヵ月(生まれてから)の間育てられます。そのあと卸業者などにセリにかけられ市場に出回ります。

    重量でいえば和牛の場合は、おおよそ500kgから700kg。ホルスタインは約700kgまで育てられます。ちなみに牛が1kg体重を増やすのに8kgから10kgの餌が必要といわれています。妊娠期間は285日間で、一回の分娩に一頭しか産めません。

    豚においては、6ヵ月間育て体重が約100kgで出荷されます。年に2回ほど子供を産み。一回の分娩で10頭位の出産になります。体重を1kg増やすのにえさは約3kg必要といわれています。

    鶏は、卵から21日にふ化して、素ひなとして生産農場で育てられます。小型ですと約4か週から5週間飼育され1,7kgくらいで出荷されます。大型サイズでは約7週間(3kg~3,5kg)で出荷されます。

    牛、豚、鶏においての出荷までの期間や出産量、えさ代、流通の仕組み自体の違いが市場にでまわる価格が違うのです。また、ホルスタインと和牛の価格の違いにおいては、育てる目的の違いや肉質の違いからホルスタインの方が安くなります。

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    まとめ

    食肉の法規から国産と和牛には違いがあり、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種とそれらの交配したものが和牛であり、飼養期間が最も長いものが日本であれば国産と言えます。国産と言われるものにはホルスタインと交雑種があります。

    ホルスタインは、和牛と比べ品質は劣りますが、価格が安いことから消費者にとって手に届きやすい価格になっています。ただ、牛は、豚や鶏に比べて非常に手間と時間、お金がかかっており、市場の価格に影響しています。

    牛肉は、過去の歴史をみると「養生薬」として販売され、元気がでる食べ物の代表でした。人間にとって必要なタンパク源として科学的にも裏付けられています。

    食を大切に価値あるものを大事にしていきたいものです。


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