フランスでは、昔からの風習を味わうソーセージを食す!
12月24日は「クリスマス・イブ」、キリスト降誕祭の前夜祭である。
今でこそイエス・キリストが12月25日生まれというのは当然のこととされいるが聖書にはどこにも明記されていない。
初期のキリスト教徒は1月1日、1月6日、3月27日などにキリストの降誕を祝したが、教会としてクリスマスを祝うことはなかったそうだ。それどころか3世紀の神学者オリゲネスは、クリスマスを定めることは異教徒であると非難さえしている。
キリストの誕生日が12月25日と固定されたのは、354年教皇リベリウスのときといわれ、4世紀の末にはキリスト教国全体でクリスマスを祝うようになった。ちなみに東方教会系は1月7日、アルメニア教会は1月19日にキリストとアメリカ生誕を祝っている。
クリスマスといって思い浮かぶのが七面鳥料理。ところがこの食習慣はイギリスとアメリカだけにみられるもの。他の国ではそれぞれ独自の料理が食べられる。
例えばチェコでは鯉のビール煮、ポーランドでは鯉のフライと、東、中欧では鯉がよく食べられるし、北欧では野鴨やトナカイの料理が出される。
それでは、フランスではどうだろうか。
特別の料理を用意することはないが、イブの深夜のミサのあと、家族で囲む食卓には「ブータン・プラン」という白いソーセージをだされるのが、フランス全土にみられる昔ながらの風習だという。
このブータン・プランは、豚や子牛などのやわらかい肉に、牛乳、生クリーム、卵、玉ねぎなどをくわえた滑らかすり身を豚の腸に詰めてつくるもので、ソーセージの中では比較的さっぱりした味。
弱火でじっくり焼いて熱いうちに賞味する。
これを夜中に食べなければクリスマスを迎えた気がしないとフランス人はいう。