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Channel: 創業100年牛肉博士
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エムマートでみる ヒレのステーキのカッティング方法とは?

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希少価値の高い最高級の部位のヒレにはステーキの醍醐味があります。

ヒレは、ロースの内側にあり、ほとんど運動しない筋肉ということもあって特に肉質はきめが細かくて柔らかく、脂肪も少ない部位です。枝肉全体から2%程度しか産出されず、嗜好性も高いことから価格も一番高い部位です。変色が早い部位です。なお、ヒレという呼称はフランス語のフィレに由来しています。

今回は、ヒレを使った部位からステーキがどのようにできるか、そのカット方法の一例を紹介していきます。また、ステーキ名やカット方法などは、海外で扱われているものになり、日本での扱いに少し違ったものになりますので、そういった面でみれば参考になるのではないかと思います。

ヒレ部位のプライマルカットとトリミング

表面の脂肪、スジをトリミングします。
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まず頭のくびれで分割(1)、シッポも5cm幅でカットし(4)、残りを2分割します。
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フィレミニヨン・ステーキ

写真の1のアタマの部分からはフィレミニヨンをつくる。1,5~2cmの厚さにカッティング。
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ここからは5~6枚とれます(ヒレのもともと大きさによります)
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フィレミニヨン・ステーキ
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シャトーブリアン

形のよい2の部位はロースト要でも提供できるが、ここではステーキをとります。
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2cmの厚さにカッティングします。
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シャトーブリアン
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トルネード・ステーキ

3の部分はやや細いので、豚の背脂を巻きます。
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1,5cm厚さにカッティングすると、風味のよい、色どりのきれいなステーキの品揃えができる。
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トルネード・ステーキ
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ステーキの焼き方

ヒレは部位の中でも最も脂肪が少なく、やわらかい最高級部位です。そして誰しもが一番食べたいメニュー、ステーキに適した部位でもある。その調理法はシンプルであるが、ひとつ間違えばうまくないステーキになってしまいます。基本的なステーキの焼き方を紹介いたします。

ステーキをおいしく焼くためには、グリル、つまり赤々と燃える火に直接金網を掛け、その上に肉を乗せて焼く方法が一番ですが、日本の家庭の調理器具は欧米並みとは違うので、フライパンを使った調理方法を紹介します。

  • 肉は焼く30分前に冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。(肉芯温度を早めに上げるため)
  • フライパンはよく熱して、ヘッド(なければバターでも可。植物性のサラダ油は動物性の肉の脂肪と融点が違うので、食べたとき舌触りが悪くなります。)をひきます。
  • 最初は強火で、肉の表面にこげめをつけ、肉汁を逃さないようにします。
  • 表面にこげめがついたら中火にして、塩、コショウをして、約3分ほど焼きます(肉の厚さによります。ここでは2cmとしてます)。
  • ブランデーがあれば小さじ2分の1を振り入れ。フランペ(火をつけてアルコール分を燃やすこと)して香りをつけます。
  • 好みに応じてステーキソースをかけます。大根おろしと醤油の和風にしても、さっぱりとしておいしい。

ヒレ部位の日本での整形・すじひき

裏面側の骨肌、脂肪を除去します。
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部位を裏返し、ヒレの頭部のばら肉「かいのみ(A)」部分を除去します。
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表面の脂肪およびヒレ頭側の三角脂を除去します。
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表面のすじおよびヒレのみみ上部のすじをみみがヒレから身割れしないよう注意しながら除去します。
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ヒレのステーキカッティング方法

ヒレは一般的に「ステーキ用」となりますが、肉質によって大きく3つに分かれます。

  • (A)テンダーロインバット(メダイヨン)
  • (B)テンダーロイン(フィレミニヨン)
  • (C)テンダーロインチップ(プチフィレ)となります。

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テンダーロインバットの頭の部分とテンダーロインチップは「焼肉用」として、残りを「ステーキ用」に提供します。「ステーキ用」の他「ローストビーフ用」にも提供できます。
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ステーキ用にカッティングする時、セロファンなどでヒレを包み、形を整えてステーキ用にすると形がよくなります。
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セロファンで包んでステーキカッティング。
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ローストビーフ用
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まとめ

今回は、ヒレを使った部位のステーキのカッティング方法となりましたが、希少価値が高いということと最高級部位ということから金額が高額になります。また、ヒレの焼き方や煮込み料理に使う事においての注意すべき点は、肉の断面は、ピロード状にきめが細かく見えますが、このように極めて細かい部位を調整する際には、煮すぎたり焼き過ぎたりしなしことです。

過度に加熱をすると、表面が硬くしまり、本来持つ風味を損ないます。

ステーキにするなら、ミディアムレア位までで、それ以上熱を加えることはお勧められません。また、ミディアム程度に熱が通った肉の方が消化に良いとされています。

ヒレの名の由来は、フランス語でこの部位のことを「フィレ」と呼ぶことから「ヒレ」と呼ぶようになり、関西では「ヘレ」と呼びます。嗜好性の高い部位を堪能していくには必ず抑えておきたいことを記載してきましたが、特に焼き方においては是非とも参考にしておきたいものです。


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